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■桂枝雀(二代目)胴乱の幸助(どうらんの幸助)

   

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胴乱の幸助(どうらんのこうすけ)は上方落語の演目の一つ。
浄瑠璃(義太夫節)の素養がないと出来ない演目。
世間知らずの真面目な男が引き起こすとんちんかんな騒動だが、聞き手に浄瑠璃の知識があれば倍楽しめる。
オチから見て、時代背景は明治初期と思われる。
上方では3代目桂米朝、2代目桂枝雀、3代目桂文我などが、東京では2代目桂小南が得意とした。
近年では桂文珍が得意ネタにしている。
別名「胴乱幸助」。

あらすじ

二人の町内の若い者が割り木屋の主人のことを噂している。
「胴乱の幸助」という異名を持ち、これといった道楽はないが、江戸の侠客「幡随院長兵衛」気取りで義侠心に富み、人の喧嘩を仲裁しては酒をご馳走するのが趣味なのだ。

そこでただ酒を頂こうと、二人はわざと喧嘩をする。
幸助は早速仲裁に入り近くの料理屋で馳走してやる。
幸助は、だまされた事に気がつかず喧嘩を収めたので気分がよい。

と、通りかかった稽古屋から浄瑠璃『桂川連理柵』(京の柳馬場押小路に住む帯屋長右衛門と信濃屋の娘お半とが恋に落ち、桂川で心中する悲劇。
別名『お半長』)の「帯屋の段」が聞こえてくる。
それも姑の嫁いびりの件である。
声が真に迫ったので、てっきり家庭内の揉め事と勘違いした幸助は稽古屋に飛び込むが、浄瑠璃を知らないので、本当に京都の柳の馬場押小路の帯屋の嫁いびりが、大阪にまで知られている大事件、これは早速仲裁に行かなアカンと思い込む。
幸助は、旧弊めいていて汽車で行かず、昔からの三十石船で京に向かう。
悪い事に柳馬場押小路に帯屋が一軒あった。
幸助は真剣な顔で、応対した店の者に、姑と嫁、そして主人の長右衛門を連れてくるように言う。

「あんさん、何のことどすか」
「何やあるかい。大阪にまで、小さな子供まで知れ渡ってるがな。ここの主人があかんのや。ええ年して、信濃屋のお半て、自分の娘ほどの年の娘に手エ出すとは。早よ。ここへ連れてきなはれ。世間体ちゅうもん考えたらどないやねん」

「ええ。あの、待っとくれやっしゃ。・・・主人は帯屋長右衛門、娘は信濃屋のお半。・・・それ、もしかしたら、お半長とちがいますか」

「そうじゃ。そのお半長じゃ」

「アッハハハ。何かいな。お半長どすかいな」

「これ!何がおかしいねん!」

「・・・そやかて、これが笑わずにおれますかいな。お半長は、とうの昔に桂川で心中しましたわいな」

「えっ!心中したてか!しもた!汽車できたらよかった」

なお、演者によっては汽車で来る演出を取り
「しもた!急行で来たらよかった」とサゲることもある。

その他

戦前期までは大阪市内で浄瑠璃(義太夫)の稽古がさかんであった。
その意味でも、浄瑠璃を扱った『軒付け』『義太夫息子』同様、上方色の濃厚な噺である。

演芸評論家矢野誠一は「義太夫が暮らしの中にはいりこんでいた風土なしには、成立しないはなし」と分析し、また、東京への移植は「土台無理なはなし」で、五代目圓生が演じた速記が残されているが「違和感のあるのは否めない」として、これは「純粋の上方落語」と評価している。
(2011年2月20日 読売夕刊「落語のはなし 第十席 『胴乱の幸助』)
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