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■桂枝雀(二代目)舟弁慶

   

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あらすじ

ある日、喜六が家でぼんやりと留守番をしていると、友人の清八が「涼みがてら大川で舟遊びをしよう」と誘いに来る。

いつも人の金でおごってもらっているので芸子に「弁慶」と馬鹿にされるとこぼす喜六だが、今日は参加費の三分を立て替えてやると言われ、折しも帰ってきた女房のお松に「喧嘩の仲裁に行く」と嘘をついて、いそいそと出かけて行った。
その道中、清八に喜六はお松の恐ろしさについて話し出す。
喜六は『雀のお松』『雷のお松』と二つ名のあるほど、お喋りで気が強い女房が大の苦手で……《焼き豆腐を買ってくるように言われて家を出たものの,こともあろうに2度も違うものを買ってしまう。
お松は猫名撫で声で「ああ、御苦労はん。ちょっとあんさんに話あるよってこっちおいはなれ。」と言うなり喜六を引っ立てると井戸端に引きずって行く。
怖がってしまった喜六は
「なにするねん。」と叫ぶが、お松は怒り心頭。
「何いうてねん。人がちょっと甘い顔したらつけ上がりくさって、ど性骨入れ替えてるんじゃ。」と井戸の水を頭からザボ…。

喜六が「カカ冷たいワイ!!」というと、
「冷たいンならこないしたる。こっち来さらせ。」今度は縁側に引きずっていかれ、大量のお灸をすえられて「熱い!!」
「熱いンならこないしたる!」と、また井戸水…。

これを何度も繰り返され、熱いと冷たいでやっと焼き豆腐を思い出した》これには清八も唖然となってしまう。
さて、大川に到着。
喜六は遊山船に乗り込む。
周囲の人が「弁慶」と言うのを待ち構えていたが、清八が先回りして口止めしていたため断念、芸子と散々飲み食いして、清八と「源平踊りや。」と赤と白の褌一丁で踊り出す。

さて、一方のお松も、幼馴染に連れられて難波橋に涼みにやってくる。
友人に言われ、ふと覗いた川面に旦那が遊ぶ船を発見した。

「まあ。いややの。あれうちの人やないか。嘘吐きさらしよったな。きい~!くやしい~。」

頭にきたお松は、ものすごい勢いで川原まで駆けていくと停泊していた船に乗り、夫の遊ぶ船に突っ込んでいき、喜六の顔を引っ掻く。
喜六もぎょっとするがそこは友達の手前、
「何さらすんじゃ。」と酒の勢いもあってお松を川の中へ突き落としてしまう。

幸い川は浅く、お松はすぐに立ち上がってきたのだがなんか様子が変だった。
そばを流れてきた竹ざおをつかむや「そもそもーこれーはー、平知盛ー幽霊なり…」と狂い出す。
周囲が呆然とする中、一人落ち着いていた喜六。
やおら手ぬぐいを取り上げると、それで数珠を作って祈りだし。

「その時喜六は少しも騒がず、数珠をさらさら押し揉んで。東方大威徳、……」と「船弁慶」の知盛と弁慶の俄を始める。
当然、こんな騒ぎが人目につかないわけが無い。
いつしか橋の上には人だかりが出来ており、「もうし、あれ何だすねん。」

「知らんのかいな。弁慶やってんのが幇間。川ン中立ってのが仲居でんな。『船弁慶』の俄やってのや。こら褒めたらなあきまへんで。」

「ああ、そうでっか。ようよう、川の知盛はんも秀逸なら、船の上の弁慶はんも秀逸。よう!よう!船の上の弁慶はん!弁慶はん!」

それを聞いた喜六は
「何ィ!弁慶やと。今日は三分の割り前じゃい!」

概説

落ちの「弁慶」とは、自腹を切らず金を持っている者にたかって遊ぶ者を意味する花柳界の隠語である。
大きく3部に分かれる。
前半部は喜六と清八の漫才のようなユーモラスなやりとりと、お松の雄弁さがききどころである。
中間部は、難波橋に行く途中、喜六が語る妻のヒステリーからくる家庭内暴力のすごさが面白い。
これがのちのお松の狂乱ぶりにつながっていく。

後半部は難波橋の華やかな舟遊びと夫婦喧嘩で、「はめもの」が用いられ、最後には能の「船弁慶」が使われるなど視覚的にも聴覚的にも楽しめる立体的な構成で、上方落語の醍醐味を味わえる。
ただし演者には体力と芸格が求められる。
難波橋は北浜にある橋。

明治期にライオンの石像のついた欄干が作られた。
現在は高速道路が覆いかぶさり景観を台無しにしているが、下を流れる大川では毎年夏の天神祭が行われ、多くの人でにぎわう。
5代目笑福亭松鶴、2代目三遊亭百生、6代目笑福亭松鶴、5代目桂文枝、2代目桂枝雀などが得意としていた。
枝雀はお松を悪妻だが心の底では亭主に惚れている女性と解釈して演じることにし、
「あんな、たよンないオッサンでも、何か役に立ちますのや云々。」というお松の科白を入れていた。
惚れていればこそ、だまされた時の怒りが増幅すのである。

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Comment

  1. 通りすがり より:

    このページを根拠にWikiの船弁慶(落語)ページの削除依頼が出されています。ご報告まで。
    http://goo.gl/QjnTTY

  2. rakugochan より:

    ご報告ありがとうございます。

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