【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

古今亭志ん生(五代目)後生鰻

   

Sponsored Link

あらすじ

さる大家の主人、すでにせがれに家督を譲って隠居の身だが、これが大変な信心家で、殺生(せっしょう)が大嫌い。
夏場に蚊が刺していても、つぶさずに、必死にかゆいのを我慢しているほど。
ある日、浅草の観音さまへお参りに行った帰りがけ、天王橋(てんのうばし)のたもとに来かかると、ちょうどそこの鰻屋のおやじが蒲焼きをこしらえようと、ぬるりぬるりと逃げる鰻と格闘中。

隠居、早速、義憤を感じて、鰻の助命交渉を開始する。
「あたしの目の黒いうちは、一匹の鰻も殺させない」
「それじゃあ、ウチがつぶれちまう」と、すったもんだの末、二円で買い取って、前の川にボチャーン。
「あー、いい功徳(くどく)をした」

翌日、また同じ鰻屋で、同じように二円。ボチャーン。
「あー、いい功徳をした」

その翌日はスッポンで、今度は八円とふっかけられたが、
「生き物の命はおアシには換えられない、買いましょう」
「ようがす」というわけで、またボチャーン。
これが毎日で、喜んだのは鰻屋。

なにしろ隠居さえ現れれば、仕事もしないで確実に日銭が転がり込むんだから、たちまち左うちわ。
仲間もうらやんで、
「おい、おめえ、いい隠居つかめえたな。どうでえ、あの隠居付きでおめえの家ィ買おうじゃねえか」
などという連中も、出る始末。
ところがそのうち、当の隠居がぱったりと来なくなった。

少しふっかけ過ぎて、ほかの鰻屋にまわったんじゃないかと、女房と心配しているところへ、久しぶりに向こうから「福の神」。
「ちょっとやせたんじゃないかい」
「患ってたんだよ。ああいうのは、いつくたばちまうかしれねえ。今のうちに、ふんだくっとこう」
ところが、毎日毎日隠居を当てにしていたもんだから、商売は開店休業。

肝心の鰻もスッポンも、一匹も仕入れていない。
「生きてるもんじゃなきゃ、しょうがねえ。あの金魚……ネズミ……しょうがねえな、もう来ちゃうよ。うん、じゃ、赤ん坊」

生きているものならいいだろうと、赤ん坊を裸にして、割き台の上に乗っけた。
驚いたのは隠居。
「おいおい、その赤ちゃん、どうすんだ」
「へえ、蒲焼きにするんで」
「馬鹿野郎。なんてことをしやがる。これ、いくらだ」

隠居、生き物の命にゃ換えられないと、赤ん坊を百円で買い取り、前の川にボチャーン。
「あー、いい功徳をした」

Sponsored Link

 - 古今亭志ん生(五代目)

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

古今亭志ん生(五代目)たがや

たが屋(たがや)は、落語の演目の一つ。原話は不明だが、江戸時代から高座にかけられ …

古今亭志ん生(五代目) 小間物屋小四郎(大岡政談より)

京橋五郎兵衛町の長屋に住む、背負い(行商)の小間物屋・相生屋小四郎。 今度上方へ …

古今亭志ん生(五代目)干物箱

干物箱(ひものばこ)は古典落語の演目の一つ。 原話は、延享4年(1747年)に出 …

古今亭志ん生(五代目) 千早振る

『千早振る』(ちはやぶる / ちはやふる)は、古典落語の演目の一つ。 別題は『百 …

古今亭志ん生(五代目)粗忽長屋【十八番】

[1957年(昭和32)年7月録音] ⇒★聴き比べ あらすじ 長屋住まいの八五郎 …

古今亭志ん生(五代目) 五目講釈

上方では「居候講釈」の演題が使われる。 志ん生は一時、三代目小金井蘆洲(小金井芦 …

古今亭志ん生(五代目) 淀五郎

あらすじ 忠臣蔵の判官役が急病になり、名題に成り立ての弟子、沢村淀五郎が指名され …

古今亭志ん生(五代目) 黄金餅

『黄金餅』(こがねもち)は、古典落語の演目である。 自分の死後に財産が他人に渡る …

古今亭志ん生(五代目) 庚申待(こうしんまち)~宿屋の仇討

宿屋仇(やどやがたき)は上方落語の演目の一つ。「日本橋宿屋仇」とも言う。 東京で …

古今亭志ん生(五代目)怪談牡丹灯籠(お札はがし)

[怪談牡丹燈籠]