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古今亭志ん生(五代目)今戸の狐

   

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こつ(千住)、ばくちの狐など、分かりにくい言葉が多いので、マクラで志ん生はこれらの言葉の説明をしている。
志ん生はこの噺が好きだったと見え、戦前から高座にかけ、戦後もラジオや落語研究会でやり、
病後の1965年にも精選落語会に出している。

★聴き比べ⇒志ん朝 今戸の狐

あらすじ

安政のころ。*乾坤坊良斎(けんこんぼうりょうさい)という自作自演の噺家の弟子で、良輔(りょうすけ)という、こちらは作者専門の男。
どう考えても作者では食っていけないので、一つ噺家に転向しようと、当時大看板で、三題噺の名人とうたわれている初代・三笑亭可楽に無理に頼み込み、弟子にしてもらった。

*乾坤坊良斎(1769-1860)江戸時代後期の講釈師。
 明和6年生まれ。家業の貸本屋から初代三笑亭可楽の門にはいって落語家菅良助となり、のち講釈師に転じる。創作も得意で「笠森お仙」「切られ与三郎」などの講談をのこし、合巻も手がけた。万延元年8月13日死去。92歳。江戸出身。通称は梅沢屋良助。

ところが、期待とは大違い。

修行は厳しいし、客の来ない場末の寄席にしか出してもらえないので、食う物も食わず、これでは作者の方がましだったという体たらく。
内職をしたいが、師匠がやかましく、見つかればたちまちクビは必定。

しかし、もうこのままでは餓死しかねないありさまだから、背に腹は代えられなくなった。
たまたま住んでいたのが今戸で、ここは今戸焼きという、素焼きの土器や人形の本場。

そこで良輔、もともと器用な質(たち)なので、今戸焼きの、狐の泥人形の彩色を、こっそりアルバイトで始め、何とか糊口をしのいでいた。
良輔の家の筋向かいに、背負い小間物屋の家がある。

そこのかみさんは千住(通称骨=コツ)の女郎上がりだが、なかなかの働き者で、これも何か手内職でもして家計の足しにしたいと考えていた矢先、偶然、良輔が狐に色づけしているところを見て、外にしゃべられたくなければあたしにも教えてくれと強談判。

良輔も承知するほかない。
一生懸命やるうちにかみさんの腕も上がり、けっこう仕事が来るようになった。
こちらは中橋の可楽の家。

師匠の供をして夜遅く帰宅した前座の乃楽(のらく)が、夜中に寄席でクジを売って貰った金を、楽しみに勘定していると、軒下に雨宿りに飛び込んできたのが、グズ虎という遊び人。

博打に負けてすってんてんにされ、やけになっているところに前座の金を数える音がジャラジャラと聞こえてきたので、これはてっきりご法度の素人バクチを噺家が開帳していると思い込み、これは金になるとほくそ笑む。

翌朝、早速、可楽のところに押しかけ、お宅では夜遅く狐チョボイチ(博打の一種)をなさっているようだが、しゃべられたくなかったら金を少々お借り申したいと、ゆする。

これを聞いていた乃楽、虎があまりキツネキツネというので勘違いし、家ではそんなものはない、狐ができているのは今戸の良輔という兄弟子のところだと教える。

乃楽から道を聞き出し、いまどまでやって来た虎、早速、良輔に談じ込むが、どうも話がかみ合わない。

「どうでえ。オレにいくらかこしらえてもらいてえんだが」
「まとまっていないと、どうも」
「けっこうだねえ。どこでできてんだ?」
「戸棚ん中です」

ガラリと開けると、中に泥の狐がズラリ。

「なんだ、こりゃあ?」
「狐でござんす」
「間抜けめっ、オレが探してんのは、骨の寨だっ」
「コツ(千住)の妻なら、お向こうのおかみさんです」

落語に登場するサイコロ博打について

●ちょぼいち
『ちょぼ』とはサイコロのこと。サイコロを一つ使うのでチョボイチと呼ぶ。
サイコロ1個を振り、目1~6のどれが出るかを賭ける。
落語では『狸賽(たぬさい)』『看板のピン』に登場。

⇒ 古今亭志ん生(五代目) 狸賽(たぬさい)
⇒ 春風亭昇太 看板のピン

●きつねちょぼ(狐ちょぼ)
ちょぼいちと同様、1~6のどの目が出るか賭ける。
サイコロを三つ使い、賭けた目が二つもしくは三つ出ると倍率が上がるため、ギャンブル性が高い。
これが『今戸の狐』に出てくるもの。

●丁半(ちょうはん)
時代劇で一番ポピュラーなサイコロ賭博。
サイコロ二つを振りその合計が偶数か奇数かに賭ける。
偶数が丁、奇数が半。『へっつい幽霊』で、幽霊と勝負するのが丁半。

⇒ 柳家小さん(五代目) へっつい幽霊

※参考:チンチロリン
サイコロ三つのうちの二つでおなじ目を作り、残りの一つが自分の目となり、その目の大小で勝負するもの。
たとえば自分のサイコロが4-4-5であれば目は5。相手が3-3-2であれば目が2なので自分の勝ちになる。
サイの目の組合せによっては役が出来て倍率が増えたり、逆に倍額払いになったりと、ギャンブル性が高い。

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 - 古今亭志ん生(五代目)

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