【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

★三遊亭圓生(六代目)稲川(関取千両幟)

   

Sponsored Link

大阪の稲川という力士が東京に出てきて勝ち進んだが、どこからも贔屓の声が掛からなかった。この場所を最後に帰ろうと思っていた。
宿を外から覗く乞食が居た。稲川に会いたいという。贔屓になりたいので私の蕎麦を食べて欲しい。稲川は乞食が持ち込んだ竹の皮に包まれた蕎麦と欠けた茶碗で美味しそうに食べた。大名の前で山海珍味をいただくのも、お菰(こも)さんからいただく蕎麦も贔屓の二字に変わりはない。
わしは、恥ずかしながら江戸で贔屓は貴方が最初だ、末永くお付き合いをして欲しいと頭を下げた。
気分が悪かったでしょう、お口直しを差し上げます。と、外に待たせてあった仲間に合図して酒肴を運び込んで、乞食は早変わりで魚河岸の旦那に戻った。
私は魚河岸の新井屋と言う者で「大阪で関取を見て良い相撲取りだから江戸に出てきたら、何かしたいと思っていたが忙しく時間が過ぎていった。その話を仲間内の寄り合いで話したら、『強いが人気がない。乞食が持って行ったら食べてくれるだろうか』となったが、誰一人食べるという者は居なかった。もし食べたら河岸中で贔屓になってやると話がまとまった。その茶番に私が出たが、天下の関取に申し分けなかった。大名でも乞食でも贔屓の二字は変わらないと言うのを聞いて、今度は私たちが大阪に返さない」。
それを切っ掛けに大いに人気が出た。

大阪天下茶屋に安養寺という尼寺に墓があります。池田から出ました稲川重五郎の話で、「関取千両幟」のモデルになった、関西相撲のさわりの部分です。

[出典:http://ginjo.fc2web.com/205inagawa/inagawa.htm]

Sponsored Link

 - 三遊亭圓生(六代目)

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

★三遊亭圓生(六代目)転失気(てんしき)

落語 三遊亭圓生 転失気 ある寺の住職は負け惜しみの強い方。知らないと言うことが …

★三遊亭圓生(六代目)てれすこ
★三遊亭圓生(六代目)一ツ穴(ひとつあな)
★三遊亭圓生(六代目)五人廻し

江戸で安直に遊べる遊郭では、廻しと言って花魁は一夜に複数の客を取った。お客もそれ …

★三遊亭圓生(六代目)中村仲蔵

あらすじ 出し物「仮名手本忠臣蔵」という狂言が決まり、座頭と立作者が当時は役を決 …

★三遊亭圓生(六代目)松葉屋瀬川(傾城瀬川)
★三遊亭圓生(六代目)がまの油(蝦蟇の油)

あらすじ 大道商売の口上と言えば有名なのが「がまの油売り」だ、黒羽二重の紋付き袴 …

★三遊亭圓生(六代目)遠山政談

奉行・遠山金四郎が在職中に変わった事件があった。 石町二丁目に越前屋という生薬屋 …

★三遊亭圓生(六代目)四宿の屁(ししゅくのへ:四宿のおなら)

落語 「四宿の屁」 三遊亭圓生 江戸時代、品川、新宿、千住、板橋の四つの岡場所( …

★三遊亭圓生(六代目)三年目

三年目(さんねんめ)は古典落語(江戸落語)の演目の一つ。 4代橘家圓喬(たちばな …