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■古今亭志ん生(五代目)鰍沢(かじかざわ)映像に残された志ん生の最後の一席

   

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★映像に残された志ん生の最後の一席

志ん生は落語協会会長だった71歳の時に脳出血で倒れ、11ヶ月のリハビリの後に新宿末広の高座に復帰しましたが、右半身に軽い麻痺が残りました。
昭和39(1964)年の東京オリンピックの年には、二代目 百生(3/31)、八代目 可楽(8/23)、二代目 円歌(8/25)、三代目 金馬(11/8)、二代目 虎造(12/29)と云う、落語・浪曲界の巨星が幾つも落ちた年でした。
映像は、その年、74歳時の志ん生の鰍沢です。
右手をほとんど動かせないので、左手一本を動かして語る志ん生。
自分が若い頃心酔した圓喬の鰍沢を映像に残しておきたかったんだと思います。
決して良い出来とは云えませんが、ファンなら泣けて来る映像です。
この四年後に志ん生は78歳でほとんど語りが出来なくなってしまって高座を降ります。
データ・・・五代目 古今亭志ん生 明治23(1890)年6月28日~昭和48(1973)年9月21日 享年83 前名=七代目 金原亭馬生 出囃子=一丁入り 紫綬褒章 勳四等瑞宝章 本名=美濃部孝蔵
[出典 http://blogs.yahoo.co.jp/yacup/60737062.html]

鰍沢(かじかざわ)は落語の演目である。三遊亭圓朝作。
友人とのサークル「酔狂連」の集まりで出された「卵酒・鉄砲・毒消しの護符」の三題噺で即席に作ったとも、一晩で作ったとも言われている。

ただし、河竹黙阿弥による後半の台本があり、黙阿弥作とする説がある。
主な演者に6代目三遊亭圓生、林家彦六、10代目金原亭馬生などがいる。

おやじの骨を身延山に納めるため、参詣かたがたはるばる江戸からやってきた新助。
帰り道に山中で大雪となり、日も暮れてきたので道に迷って、こんな場所で凍え死ぬのは真っ平だから、どんな所でもいいから一夜を貸してくれる家はないものかと、お題目を唱えながらさまよううち、遠くに人家の灯、生き返った心地で宿を乞う。

出てきたのは、田舎にまれな美しい女。
年は二十八、九か。
ところが、どうしたことか、のどから襟元にかけ、月の輪型のアザがある。
家の中は十間ほどの土間。
その向こうの壁に獣の皮が掛かっていて、欄間には火縄の鉄砲。
猟師の家とみえる。

こんな所だから食べる物もないが、寝るだけなら、と家に入れてくれ、囲炉裏の火にあたって人心地つくうち、ふとした会話から女が江戸者だとわかる。
それも浅草の観音様の裏あたりに住んでいたという……。

「あの、違ったらお詫びしますが、あなた、吉原は熊蔵丸屋の月の戸花魁(おいらん)じゃあ、ありませんか」

「えっ? おまえさん、だれ?」
男にとっては昔、初会惚れした忘れられない女。
ところが、裏を返そうと二度目に行ってみると、花魁が心中したというので、あんなに親切にしてくれた人がと、すっかり世の無常を感じて、それっきり遊びもやめてしまったと、しみじみ語ると、花魁の方も打ち明け話。

心中をし損ない、喉の傷もその時のものだという。
廓の掟でさらされた後、品川の岡場所に売られ、ようやく脱走してこんな草深い田舎に逃れてきたが、今の亭主は熊撃ちをして、その肝を生薬屋に売って細々と生計を立てている身。

おまえはん、後生だから江戸へ帰っても会ったことは内密にしてくださいとしんみりと言うので、新助は情にほだされ、ほんの少しですがと金包みを差し出す。
困るじゃあありませんかと言いつつ受け取った女の視線が、ちらりとその胴巻きをかすめたことに、新助は気づかない。

もと花魁、今は本名お熊が、体が温まるからと作ってくれた卵酒に酔いしれ、すっかりいい気持ちになった新助は、にわかに眠気を催し、別間に床を取ってもらうと、そのまま白川夜船。

お熊はそれを見届け、どこかへ出かけていく。
入れ違いに戻ってきたのが、亭主の伝三郎。
戸口が開けっ放しで、女房がいないのに腹を立て、ぶつくさ言いながら囲炉裏を見ると、誰かが飲んだらしい卵酒の残り。

体が冷えているので一気にのみ干すと、そこへお熊が帰ってくる。
亭主の酒を買いに行ったのだったが、伝三郎が卵酒をのんだことを知ると真っ青。

あれには毒が……と言う暇もなく伝三郎の舌はもつれ、血を吐いてその場で人事不省になる。
客が胴巻きに大金を忍ばせていると見て取り、毒殺して金を奪おうともくろんだのが、なんと亭主を殺す羽目に。

一方、別間の新助。
目が覚めると、にわかに体がしびれ、七転八倒の苦しみ。
それでもなんとか陰からようすを聞き、事情を悟ると、このままでは殺されると、動かぬ体をひきずるように裏口から外へ。

幸い、毒酒をのんだ量が少なかったか、こけつまろびつ、お題目を唱えながら土手をよじ登り、下を見ると東海道は岩淵に落ちる鰍沢の流れ。
急流は渦巻いてドウドウというすさまじい水勢。

後ろを振り向くと、チラチラと火縄の火。
亭主の仇とばかり、お熊が鉄砲を手に追いかけてくる。
雪明りで、下に山いかだがあるのを見ると、新助はその上にずるずると滑り落ちる。
いかだは流され、岩にぶつかった拍子にバラバラ。

たった一本の丸太にすがり、震えてお題目を唱えていると、上からお熊が狙いを定めてズドン。
弾丸はマゲをかすって向こうの岩に命中した。

「ああ、大難を逃れたも、お祖師さまのご利益。たった一本のお材木(=題目)で助かった」

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