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金原亭馬生(十代目)白ざつま(菊江の仏壇)

   

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菊江の仏壇(きくえのぶつだん)上方では菊江仏壇(きくえぶつだん)は古典落語の演目の一つ。

『百年目』『立ち切れ線香』『らくだ』などとともに上方落語の大ネタの一つでもある。口演時間の長さもさることながら、前半部の情愛あふれる大旦那とドライな放蕩息子の演じ分けや。後半部の番頭や奉公人達の描写。菊江の妖艶さを演じる難しさ、そこに加えて「はめもの」を用いることで、下座との呼吸と踊りの要素などが求められるなど、かなりの技量を求められる。 演者によっては、店での宴席で若旦那があまり酒に口を付けておらず、内心はお花を心配しているらしいという演出が入る。

原話は文化5年(1808年)に刊行された『浪花みやげ』の中の一遍である『幽霊』。
元々は上方落語の演目で、主な演者としては、5代目笑福亭松鶴、5代目桂文枝や3代目桂米朝がいる。
江戸落語には明治初頭に移植され、初代三遊亭圓右や10代目金原亭馬生が『白ざつま』の題で演じている。
東京で上方落語を高座にかけていた2代目桂小文治、2代目三遊亭百生、2代目桂小南らは『菊江仏壇』または『菊江の仏壇』で演じていた。
現役では、桂歌丸が『菊江の仏壇』、柳家さん喬が『白ざつま』で手掛けている。

あらすじ

ある大店の若旦那の道楽を静めるため、一同協議の末にお花と言う女性と結婚させた。このお花は器量もよく、何より貞淑で夫に仕えるため、息子の道楽は止むだろう…。と言う魂胆だったのだが。
若旦那は初めお花を大事にしていたがやがて遊びの虫が再発すると、南の芸鼓、菊江にいれあげて殆ど家に居つかない。そのせいでお花は気を病んだ挙句病気になってしまい、療養の為実家に帰ってしまった。
さて数日後、実家から『お花が危篤』と言う電報がくる。大旦那は若旦那に今までの不始末をさんざんに責めるが、若旦那は「わたいの女道楽は大旦那の信心と変われへんもんでっせ。」と反省の色すらも見せない。
大旦那は憮然となり「番頭どん。倅をようく見張っとくなされ。」と後を託して見舞いに行く。
厄介払いが出来たと大喜びの若旦那、菊江のところに行こうと番頭に止められる。「そら、番頭済まなんだ。わてが悪かったわ。」「わかってくれはったらよろしゅうごわります。」「そのかわり横座るさかい話聞いてくれへんか。」「へえ。よろしおます。」「気にせんといて、そのまま帳面付けてくれたらええねん。」「さよでっか。」「あのなあ、番頭・・・」と、逆に、じいわり番頭の茶屋遊びを暴露して、脅しにかかる。「ちょ、ちょっと若旦那。止めておくんはれ。」「何や。嫌か。ほたら外出して。」「いやそうはいきまへん。」お花が病に伏しているのに遊びに行くのはどうしても世間体が悪い。それなら、親爺の留守を幸いに、家に酒肴を注文して菊江を呼び、ここで茶屋遊びをする事にしようと話がまとまる。
店の者も喜んで早速店じまい、ごちそうを注文する。やがて菊江も、他の芸妓も三味線太鼓を抱えてやってくる。若旦那もう嬉しくてたまらない。「菊江来たか。こっち来い。こっち来い。今日はな、やかましい親爺おらんよって・・・明日にならな帰ってけえへん。家で散財しよ。・・・そんなら、今日はどんどんいこか。」とみんなで飲めや歌えの場が大騒ぎ。
盛り上がったころで突如大旦那が帰ってきた。「これ!ここ開けんかい!何してますのじゃ!」「うわっ!大旦那さん帰ってきはった!」
一同大あわてでご馳走等々を隠すが、菊江の隠れるところがない。「菊江、お前こっち来い。」「まあ、何しなはります。」「ここへしばらく隠れとれ。」やむなく大旦那が買ったばかりの『200円もする巨大な仏壇』に押し込む。
さて大旦那は番頭をはじめとする皆の酔態を見て「何ちゅうことしくさるのじゃ。」とあきれ返る。「倅はどこにいくさる。」「おとっつあん。ばあ。」「これ、ようもこんなふざけたことしくさって。」
大旦那は涙ながらに「これ、倅、お花はな。わしの顔見るなり『不実な夫でも、生涯連れ添う人と思え一目会うまではと思うておりましたが、もし、おとうさん。わたしはよほど嫌われたんですね…』との言葉を一期に、様態が変わって死んだわやい。」と一部始終を話す。
「こなたもわしと一緒にお花とこへ通夜に行きなされ。」と嫌がる若旦那を尻目に仏壇のもとへ。
「もし、お父っあん。何しなはんねん。」「仏壇に有難い『親鸞聖人の掛け軸』を取り出しますのじゃ。」「ええっ!!。もし、仏壇にはあらしまへん!」「ほんならどこ直したんじゃ。」「・・・下駄箱ン中」「アホぬかせ!」と大旦那は件の仏壇の扉をギー…。
途端に現われたのは菊江の姿
「ああ。お花か。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。・・・もう迷うて出たんか。倅の了見はわしが直す、だから迷わず成仏しとくれ!!」
幽霊(菊江)の方が
「へえ。私も消えとうございます」
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