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三遊亭円歌(二代目) 紺田屋(こんだや)

      2015/06/03

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 「信心は徳のあまり」と言われていた。蔵前の大金持ち善兵衛さんは毎日観音様に参拝していた。ある風の強い日、火事が起こるのではないかと心配していると、仲見世で一枚の紙が飛んできた。読むと『大火事有るべい悟れ善兵衛』と書かれていた。観音様のお告げと思い、店に帰って蔵には目塗りし、火事に備えると火事が出た。鎮火すると、あすこだけ火事の準備をしていた、もしかすると火付け元ではないかと御奉行所に訴えた。奉行が委細聞き出し、観音様のお告げだというその紙を見せると、笑い出した。紙には『おかし(御菓子)あるへいさとう(砂糖)善兵衛』、菓子屋の宣伝であった。

 舞台は京都。三条下がった町中に紺田屋という大きな呉服店があった。そこに十八になる一人娘のお花さんがいたが、病床について今日、明日の命だと宣言され、好きな物を食べさせて、好きな人に逢わせてやりなさいと言われた。聞き出すと白い団子が食べたいという。枕元にそのお団子を差し出すと、一つ摘んで口の中に放り込んだ。飲み下す力も無かったのか、「う~ん」と言って息絶えた。通夜の席、意気消沈して、涙も涸れて両親が座り込んでいたのを見た親族が、早く葬儀を出してしまった方が両親には良いと埋葬準備を始めた。化粧を施し嫁入り衣装の白無垢に着替えさせ、着替えにと反物を十分回りに詰め込み、お金を入れるのは御法度で、見付かればどの様なお仕置きが待っているか分からないが、反対を押し切って旅に出るのだからと100両持たせた。

 土葬が済んだ深夜、手代の新七が起き出して、先程の墓所に行って鍬で掘り出した。ご主人が入れた御法度の100両を取り出して家に災難が降りかかるのを止めようとしていた。その時、財布の紐がお花さんの首に引っかかり、団子が外れると息を吹き返した。
 ここから帰っても良いが、蘇生した女だと陰口を言われるのもイヤだし、元々はお前に気があったので恋煩いでこの様になった、良ければ二人でどこかに行きましょう。二人は手を取り合って東海道を下った。大津の宿で着替えて二人は江戸に向かった。

 江戸は浅草寺の裏、馬道に小さな空き店を借りて商売を始めた。紺田屋の暖簾で呉服を商った。京都の粋な呉服と商売上手で繁盛した。2年経つと新太郎という子供も出来、猿若町に大きな店を開いて順風満帆であった。

 京都の紺田屋はその後番頭や手代が金をくすねて逐電。その頃、京都に大火事が出て何も無くなってしまった。手持ち金と見舞金などを元に西国八十八ヶ所、娘の菩提を弔って回った。京都を素通りして、春先の江戸に着いた。江戸見物で観音北側の言問通りから桜の見える向島に。旨い餅を食べて猿若町に。そこで紺田屋の暖簾を発見。同じ店名だと手を合わせて通り過ぎると、店内では新七が目ざとく二人を見付けて、店の者に言いつけて奥の座敷に通しておいた。
 訳も分からず丁重なもてなしを受けた二人は御薄もいただき、昔の生活を思い出していた。新七は紋付き羽織袴で、両親の前に正座した。「こんな立派なお店を構えているのだから、さぞかし奥様は素晴らしい人なんでしょうね」、「私には分に過ぎる女房です。今ご覧に入れます」。相の襖が開いて、子供を抱いたお花さんが出てきた。感涙にむせぶのみであった。
 向島に寮を建てる間、ここでお休みになって、話は明日ゆっくりといたします。二人になったご両親は、「逃げたと思っていた新七は江戸で立派に成功し、死んだと思っていたお花には子供まで出来て新七の女房になっていた。有り難い事だ。この新七の家で出た、この絹布の布団はしばらくぶりだね」、「昨夜の宿は親切だったが、シラミが居て一晩中眠れなかった」、
「シラミ、シラミと言うな。みんな観音様の御利益だ」。

[出典:落語の舞台を歩く

http://ginjo.fc2web.com/221kondaya/kondaya.htm]

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