【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

三遊亭金馬(三代目)狂歌家主

      2017/12/31

Sponsored Link

狂歌家主は、掛取万歳(かけとりまんざい)の一部。
※上方落語では天下一浮かれの掛け取り(てんかいちうかれのかけとり)。
現在は東西とも、省略形の掛け取り(かけとり)という題で演じられることが多い。
主人公のもとに4人の人物が登場する構成のうち、ひとり目が登場する場面だけ演じるものを狂歌家主(きょうかいえぬし、きょうかやぬし)、ふたり目の人物までを借金取り撃退法(しゃっきんとりげきたいほう)の題で演じることがある。

あらすじ

ある年の大晦日、正月用の餅つきを頼む金がないので、朝からもめている長屋の夫婦。
隣から分けてもらうのもきまりが悪いので、大声を出して餅をついているように見せかけた挙げ句、三銭(三百文)分、つまりたった三枚だけお供え用に買うことにした。それはいいのだが、たまりにたまった家賃を、今日こそは払わなくてはならない。
もとより金の当てはないから、大家が狂歌に凝っているのに目を付け、それを言い訳の種にすることで相談がまとまった。

「いいかい、『私も狂歌に懲りまして、ここのところあそこの会ここの会と入っておりまして、ついついごぶさたになりました。いずれ一夜明けまして、松でも取れたら目鼻の明くように致します』というんだよ」

女房に知恵を授けられて、言い訳に出向いたものの、亭主、さあ言葉が出てこない。

「狂歌を忘れたら、千住の先の草加(そうか)か、金毘羅様の縁日(十日=とうか)で思い出すんだよ」
と教えられてきたので、試してみた。

「えー、大家さん、千住の先は?」
「婆さん、どうかしやがったなこいつは。竹の塚か」
「そんなんじゃねえんで、金毘羅さまは、いつでした?」
「十日だろう」
「そう、そのトウカに凝って、大家さんは世間で十日家主って」
「馬鹿野郎、オレのは狂歌だ」

大家が、「うそでも狂歌に凝ったてえのは感心だ。こんなのはどうだ」と、詠んでみた。

「玉子屋の娘切られて気味悪く魂飛んで宙をふわふわ」

「永き屁のとほの眠りの皆目覚め並の屁よりも音のよきかな」

「おまえも詠んでみろ」

「へえ、大家さんが屁ならあっしは大便」

「汚いな、どうも。どういうんだ」

「尻の穴曲りし者はぜひもなし直なる者は中へ垂れべし」

これは、共同便所に大家が張った注意書きそのまま。

「それだから、返歌しました」

「どう」

「心では中へたれよと思えども赤痢病ならぜひに及ばん」

だんだん汚くなってきた。

「どうだい、あたしが上をやるから、おまえが後をつけな。『右の手に巻き納めたる古暦』どうだい?」

「餅を三百買って食うなり」

「搗(つ)かないから、三百買いました」

※参考
⇒ 春風亭柳橋(六代目) 掛け取り新戦術

Sponsored Link

 - 三遊亭金馬(三代目) , , ,

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

三遊亭金馬(三代目) 相撲放送
三遊亭金馬(三代目) 真田小僧

真田小僧(上・下) 親父が小遣いをくれないので 「よそのおじさんが訪ねて来た話を …

三遊亭金馬(三代目) てれすこ

てれすことは、落語の演目の一つで、そのストーリーに登場する架空の生物の種名。魚類 …

三遊亭金馬(三代目)雑俳

あらすじ 長屋の八五郎が、横町の隠居の所に遊びに行くと、このごろ雑俳に凝っている …

三遊亭金馬(三代目)  高田馬場

あらすじ 春の盛りの浅草・奥山。 見世物や大道芸人がずらりと並び、にぎやかな人だ …

三遊亭金馬(三代目)花見の仇討

あらすじ 花見の嗜好で仇討ちの芝居をやって受けようじゃねえか、筋書きはこうだ。 …

三遊亭金馬(三代目)金明竹

金明竹(きんめいちく)は古典落語の演目の一つ。 骨董屋を舞台としたドタバタなやり …

三遊亭金馬(三代目)寝床

旦那が趣味の義太夫を語る会の準備を始めた。飲める人には酒と肴を、飲めない人にはお …

三遊亭金馬(三代目) 近江八景

近江八景(おうみはっけい)は、古典落語の演目の一つ。 原話は、安永10年(178 …

三遊亭金馬(三代目)七の字

長屋に住んでいたグズ七と呼ばれていた七兵衛さん、仲間から助けられ生活していたが、 …