【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

★古今亭志ん生(五代目)妾馬(八五郎出世)中村仲蔵・塩原多助一代記

      2022/08/03

Sponsored Link

八五郎出世(はちごろうしゅっせ)は古典落語の演目の一つ。 別題は『妾馬』(めかうま)。
主な演者として、5代目古今亭志ん生や3代目古今亭志ん朝、10代目金原亭馬生、6代目三遊亭圓生、上方では桂文太などがいる。

あらすじ

発端は省かれることもあり、その場合は八五郎と大家の会話でこれまでの出来事を説明する。
行列の駕籠にて、とある長屋の前を通りがかった大名・赤井御門守が、長屋口にて見かけたお鶴を見初めた。
御門守にはそれまでに世継ぎが居ないこともあり、お鶴を側室にと言う。
御門守の意を受けた家来がすぐに長屋を訪れ、大家に話をつけた。
お鶴は十七歳、母親と兄の八五郎の三人暮らしである。
大家がお鶴の母にこの一件を話して聞かせると、お鶴を出世させてやれると大いに喜び、また、兄の八五郎のほうも、お屋敷奉公が決まれば百両は支度金が頂けると聞き、浮かれている。
最終的に八五郎は二百両を貰いうけ、お鶴はめでたくお屋敷へ上がることとなる。
お鶴は間もなく世継ぎたる男子を出産し、にわかに「お鶴の方さま」と呼ばれる出世を遂げる。
ある日、御門守がお鶴の願いを聞き入れ、八五郎が屋敷に呼ばれることとなった。
一方、その頃八五郎は支度金を遊びで使い果たしており、決まりが悪くなり友人の家を泊まり歩いていた。
大家は八五郎を見つけ出し、着物も全て貸し与え、御前へ出たら言葉を丁寧にしろ、などとアドバイスをして送り出した。
屋敷に着いたのち、八五郎は赤井家側用人の三太夫に御前まで案内される。
お鶴を伴って現れた御門守に対し、珍妙な言葉遣いをする八五郎であるが、御門守は「無礼講であるから朋友に申すごとく申せ」と勧める。
これを聞き、八五郎はいつもの如く傍若無人に振舞うが、カリカリする三太夫に対し、御門守は「面白い奴」と気に入る。
杯を重ねるうち、したたかに酔った八五郎はそこで初めてお鶴がそこに居ることに気付く。
立派になったお鶴を目にし、母がお鶴を見れば「婆ァ、喜んで泣きゃあがるだろう」と感極まり涙をこぼす。
八五郎は御門守に「お鶴を末永くかわいがってやっておくんなさい」としたのち、しんみりしたところで景気直しだと都々逸をう唸り出す。
八五郎を気に入った御門守は彼を侍に取り立てる。
まさに、「鶴の一声」。

概要

この噺にはまだ続きがあるが、全部演じると一時間以上もかかり、その後半部分は省かれることが多い。
本来、この噺のタイトルは「妾馬」であるが、以上の事情により、あえて別題である「八五郎出世」として本稿は記述した。
眼目は大詰めで、酔った八五郎の長台詞のうちにその場の光景、その場にいない母親の姿などをありあり浮かび上がらせる腕が演者には求められる。

圓生の「八五郎出世」

六代目三遊亭圓生は、この演目で、 「古典落語は単に笑わすのじゃなくて泣かすことも大事なのだ。」ということを悟り、新しい芸の境地を開拓したと述懐している。
終戦後、満洲から帰国した圓生は落語研究会でこの噺を演じて絶賛を博しえそれまで勝つことのできなかった春風亭柳橋を打ち負かした。 ここに「昭和の名人」への第一歩が始まったという。

Sponsored Link

 - 古今亭志ん生(五代目) , , ,

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

★古今亭志ん生 (五代目)毛氈芝居(もうせんしばい)

落語 「毛氈芝居」 古今亭志ん生 この村はまだ芝居という物を観たことも無く、芝居 …

★古今亭志ん生(五代目)昭和43年(1968)7月3日~78歳の映像

この映像は、昭和43(1968)年7月3日に東京12チャンネル(現・テレビ東京) …

★古今亭志ん生(五代目)元犬

元犬(もといぬ)は、落語の演目の一つ。 原話は、文化年間に出版された笑話本「写本 …

★古今亭志ん生(五代目)塩原多助一代記~四ツ目小町

塩原多助序 上州沼田に300石の田地を有する豊かな塩原家の養子多助は、養父角右衛 …

★古今亭志ん生(五代目)搗屋幸兵衛(つきやこうべえ)

あらすじ 家主の幸兵衛が、今朝も長屋を一回りして、小言を言って家に戻ると、空家を …

★古今亭志ん生(五代目)へっつい幽霊

竃幽霊(へっついゆうれい)は古典落語の演目の一つ。原話は、安永2年(1773年) …

★古今亭志ん生(五代目)鮑のし(あわびのし)

落語   「鮑のし」  古今亭志ん生 鮑のし(あわびのし)は、古典落語の演目の一 …

★古今亭志ん生(五代目)道灌

道灌(どうかん)は、落語の演目の一つ。 初代林家正蔵の咄本『笑富林』(1833年 …

★古今亭志ん生(五代目)親子酒

親子酒(おやこざけ)は、古典落語の演目の一つ。 原話は上方の初代露の五郎兵衛が宝 …

★古今亭志ん生(五代目)はてなの茶碗(茶金)

落語 古今亭志ん生 はてなの茶碗 昭和30年代の音源 ★冒頭で 師匠:四代目 橘 …