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古今亭今輔 (五代目)お婆さん三代姿

   

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おばあさん三代姿:あらすじ

はじめの舞台は明治の頃。電車や洋食といった西洋文化が押し寄せ目まぐるしく変化する世相に、お婆さんが江戸時代の昔を懐かしみ、娘に愚痴りながら、昔の歌を歌いながら眠りにつく。そんなお婆さんに「仕方ないわねえ」とつぶやく娘がお婆さんになり登場する昭和の場面が第二場。明治の頃を懐かしみ、跳ね上がるモノの値段、派手派手しい若者の服装を延々と娘に愚痴りながら眠りにつく。同じく「仕方ないわねえ」と言っている昭和の娘もお婆さんになる。

あらすじ

歳取ってから昔は良かったと言うことは言わない方がイイです。自分の身体が動いたから良かったので、今は動かないから、昔の方がイイと懐かしがっているだけです。

「お婆ちゃんおよしなさいな。昔は、昔はと言うのは。明治の時代になったから、旅行も、電信も出来て、江戸時代にはなかったでしょ」

「(お婆さんのガラガラ声で)文明開化と直ぐ言うけれど皆外国の真似。昔は良かった船にしても風流で今じゃ蒸気船が不粋に走っている。鍋だって牛鍋や豚鍋、桜なべをムシャムシャ食べている。江戸時代は汚(けが)れると言って食べなかった。祭りだって良かったョ。(チャンチキチスケテンテンとお囃子と山車がすれ違い御輿が掛け声勇ましく通り過ぎていく)。私の時代は、女の子などは数え歌など歌い和やかだった。一つとせぇ~~」

数え歌を歌いながら、お婆ちゃんは寝てしまった。

イビキかいて寝てしまったと言っていたお嬢さんが、今ではお婆さんになってしまい
「イヤだね~。キャベツが一つ100円だなんて。昔は50円持って呉服屋に行くと、裏を付けた着物が買えたんだよ。電車の車掌さんの月給が18円から20円だったよ。電車賃だって5銭で往復9銭だったよ。今じゃ20円で乗り換えのキップもくれないよ。薄情になったね。浅草で一日遊んで、お賽銭あげて、活動写真観て、食事をして、50銭持って行けばお釣りが来たよ。活動写真だって楽団が付いて弁士まで付いていたんだよ。髪の毛だって癖っ毛があると日本髪が結えないなんて伸ばしたのに、今じゃ、金払って縮れっ毛にしているんだから。やになっちゃうね。頭は短くカットしてズボンをはいて、男装の麗人だなんていってるが、中途半端でヤダね~。自転車だってお転婆と言って嫌がられたんだよ」

「そんな事言ってると笑われますよ」

「お前は明治を知らないから言うので、知っている人に聞いてごらん、みんな明治が良いというよ。戦争だって戦勝記念だと言って提灯行列があったが、昭和の戦争は空襲警報ばかりで、世界に嫌われていたので負けちゃってさ……」

「お婆ちゃん、そんなに自慢したって、テレビやラジオは無かったでしょ」

「お前はそんな事言うけど、私の好きなことを放送してくれれば良いよ……、朝だってラジオ体操が始まって寝ていられない。株式市況で鉄が……なんて言われたって分かんないよ。若い娘は向こうの言葉で歌を歌っているが意味が分からないからスイッチを切ると、隣でも同じ歌を聴いている、隣に行ってスイッチ切ることも出来ない。何から何まで明治が良いね。女学生の袴姿は良かったよ。歌だって情緒があって良かった。(その歌を歌いながらお婆ちゃんは寝てしまった)」

「や~ね。愚痴こぼしながら、寝ちゃったわ」

[出典:https://rakugonobutai.web.fc2.com/64obaasan_sandai/obaasan_sandai.html]

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