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古今亭志ん生(五代目)お直し【文部大臣賞に燦然と輝く郭噺】

   

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1956年(昭和31年)12月、『お直し』の口演で文部省芸術祭賞(文部大臣賞)を受賞

芸術祭 (文化庁)

芸術祭(げいじゅつさい、National Arts Festival)は、1946年(昭和21年)から文化庁の主催(文化庁設置前の1967年(昭和42年)までは文部省の主催)により、毎年秋に日本国内で行なわれている諸芸術の祭典。

あらすじ

盛りを過ぎた花魁(おいらん)と客引きの若い衆が、いつしか深い仲に。
廓では「同業者」同志の色恋はきついご法度。
そこで隠れて忍び逢っていたが、いつまでも隠し通せない。

主人に呼ばれ、
「困るじゃないか。おまえたちだって廓の仁義を知らないわけじゃなし。ええ、どうするんだい」
結局、主人の情けで、女は女郎を引退、取り持ち役の「やり手」になり、晴れて夫婦となって仲良く稼ぐことになった。

そのうち、小さな家も借り、夫婦通いで、食事は見世の方でさせてもらうから、金はたまる一方。
ところが、好事魔多し。

亭主が岡場所通いを始めて仕事を休みがちになり、さらにバクチに手を染め、とうとう一文なしになってしまった。
女房も、主人の手前、見世に顔を出しづらい。

「ええ、どうするつもりだい、いったい」
「どうするって……しようがねえや」

亭主は、友達から「ケコロ」をやるように勧められていて、もうそれしか手がない、と言う。
吉原の外れ、羅生門河岸で強引に誰彼なく客を引っ張り込む、最下級の女郎の異称。

女が二畳一間で「営業」中、ころ合いを見て、客引きが「お直し」と叫ぶと、その度に二百が四百、六百と花代がはねあがる。
捕まえたら死んでも離さない。

で、「ケコロはおまえ、客引きがオレ」

女房も、今はしかたがないと覚悟するが、「おまえさん、焼き餠を焼かずに辛抱できるのかい」「できなくてどうするもんか」
亭主はさすがに気がとがめ「おまえはあんなとこに出れば、ハキダメに鶴だ」などとおだてを言うが、女房の方が割り切りが早い。

早速、一日目に酔っぱらいの左官を捕まえ、腕によりをかけてたらし込む。
亭主、タンカを切ったのはいいが、やはり客と女房の会話を聞くと、たまらなくなってきた。

「夫婦になってくれるかい?」
「お直し」
「おまえさんのためには、命はいらないよ」
「お直し」
「いくら借金がある? 三十両? オレが払ってやるよ」
「直してもらいな」

客が帰ると、亭主は我慢しきれず、
「てめえ、本当にあの野郎に気があるんだろ。えい、やめたやめた、こんな商売」

「そう、あたしもいやだよ。……人に辛い思いばかりさせて。……なんだい、こん畜生」

「怒っちゃいけねえやな。何もおまえと嫌いで一緒になったんじゃねえ。おらァ生涯、おめえと離れねえ」

「そうかい、うれしいよ」
とまあ、仲直り。

むつまじくやっていると、さっきの酔っぱらいがのぞき込んで、

「おい、直してもらいねえ」

解説

『けころ』= 吉原に限らず、江戸の各所に出没していた最下級の私娼の総称。

「お直し」とは現代語で「時間延長」のこと。噺の中でも説明されているが、むかしの遊郭で使われた言葉である。
落語の「居残り佐平次」では、妓楼に一泊した客が帰らず、延泊を希望すると店の者が「お直しになるよぉ」と言う。
この噺に出てくる「けころ」は最下層の店で、客は宿泊をしない。線香一本いくらという時間料金を払うのだ。
従って、遊女はなんとかして客をつかまえ、何度も「お直し」をさせようとする。

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