【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

三遊亭圓生(六代目) 猫定

      2014/08/07

Sponsored Link

八丁堀玉子屋新道の長屋に住む、魚屋定吉という男。
肩書は魚屋だが、実態は博徒。
朝湯の帰り、行きつけの三河屋という居酒屋で一杯やっていると、二階でゴトゴト音がする。

てっきり博打を開帳していると思って聞いてみると、実は店の飼い猫で、泥棒癖があるので、ふん縛って転がしてあるのが暴れる、という。
川にほうり込んで殺してしまうというので、それくらいなら、といくらか渡して譲り受けた。
これが全身真っ黒で、いわゆる烏猫。

大の猫嫌いのかみさんに文句を言われ、しかたなく始終懐に入れて出歩くうち、猫はすっかりなついたので、これを熊と名付け、一杯やるごとになでながら、「恩返しをしろよ」と言い聞かせる。

猫は魔物というから、ひょっとするとと思い、試してみると、賽の目で丁(奇数)が出たときは「ニャー」と一声、半(偶数)が出たときは二声鳴く。

何度くり返しても全部当てるので、これはいいと喜び、さっそく賭場に連れて行ってたちまち大もうけ。いつも猫を連れてくるところから、「猫定」とあだ名がついた。

この定吉、しばらくして、江戸にいては具合の悪いことができ、二月ばかり旅に出ることになった。
猫を連れては行けないので、かみさんに「大切にしてくれ」と預けて江戸を離れたそのすきに、かみさんのお滝が若い燕を引き込んだ。

こうなると、亭主がじゃま。
ほとぼりが冷め、江戸に戻った猫定は全くそれに気づかない。
ある日、愛宕下の薮加藤という旗本屋敷で博打の開帳があり、猫定が猫を連れて泊り掛けで出かけた留守に、かみさんは間男を呼んで相談し、亭主をそろそろ片づける算段。

一方、定吉。
この日に限って猫がうんともすんとも鳴かず、おかげで大損してしまう。
しかたなく、早めに見切りをつけ、熊がどこか具合が悪いのかと心配しながら、通りかかった夜更けの采女ヶ原。
折からざあっと篠つく雨。
立ち小便をしているすきを狙い、後をつけていた間男が、棕櫚(しゅろ)箒の先を削いだ竹槍で、横腹をブッスリ。
あっという間に、姿を消す。

家で待っていたかみさん。
急に天井の引き窓のひもがぶっつり切れ、なにか黒い物が飛び込んできて、悲鳴をあげたのがこの世の別れ。
翌朝、月番がお滝の死骸を見つけ、長屋中大騒ぎ。
間もなく定吉の死骸が発見されたが、傍らで間男が喉を噛みちぎられて、これも死んでいた。
検死も済んで、その晩は通夜。

一人が線香が切れているので火をつけようとひょいと見ると、すさまじい形相をした二人の死骸が、目をぱっちりと見開いて立っているから、驚いたのなんの。
みんな逃げ出し、残ったのは目の見えない按摩(あんま)の三味の市だけ。

大家が来て、魔がさしたんだと言っているところへ、所用から遅く帰った信州松本の浪人・真田某がやって来る。
真田は話を聞き、あたりを調べると、腰張りの紙がぺらぺらっと動き、その度にホトケが踊り出すので、さてはあやしいと脇差でブッツリと突くと、黒猫が両手に人の喉の肉をつかんで息絶えていた。

さては猫が恩返しに仇討ちをしたのだと、これが評判になり、町奉行・根岸肥前守が二十五両の金を出し、両国回向院に猫塚を建てて供養したという、猫塚の由来。

Sponsored Link

 - 三遊亭圓生(六代目)

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

三遊亭圓生(六代目)洒落小町

★聴き比べ ⇒ 立川談志 洒落小町 ガチャガチャのお松とあだ名される騒々しい女房 …

三遊亭圓生(六代目) 遠山政談
三遊亭圓生(六代目) 錦の袈裟

上方落語の『袈裟茶屋』の舞台を吉原遊廓に置き換えて東京に移入し、さらに明治期に初 …

八九升(はっくしょう) 放送禁止落語

八九升(はっくしょう)は、古典落語の演目の一つ。 わかりやすい、典型的な滑稽噺で …

三遊亭圓生(六代目)らくだ

『らくだ』は、古典落語の演目。上方落語の演目の1つである。 人物の出入りが多い上 …

■三遊亭圓生(六代目) 妾馬(八五郎出世)

八五郎出世(はちごろうしゅっせ)は古典落語の演目の一つ。 別題は『妾馬』(めかう …

三遊亭圓生(六代目)汲みたて

稽古事の師匠は若い女性に限ります。 暑いさなか当然男連中のお弟子さんが付きます。 …

三遊亭圓生(六代目)しわい屋(始末の極意)

上方落語の演題は『始末の極意(しまつのごくい)』 あらすじ 演者はまず、以下のよ …

三遊亭圓生(六代目) 真田小僧

こましゃくれた子供が父親から小遣いをせびるためにあの手この手のゴマすり、それでも …

三遊亭圓生(六代目)田能久(たのきゅう)

六代目三遊亭円生の噺、「田能久」(たのきゅう)より 阿波(あわ)の国、徳島の在・ …