【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

古今亭志ん朝 寝床

      2014/10/16

Sponsored Link

あらすじ

ある商家のだんな、下手な義太夫に凝っている。
それも人に聴かせたがるので、皆迷惑。
今日も、家作の長屋の連中を集めて自慢のノドを聞かせようと大張りきり。
番頭の茂造に長屋を回って呼び集めさせ、自分は小僧の定吉に、晒に卵を買ってこい、お茶菓子はどうした、料理は、見台は、と、うるさいこと。
ところが茂造が帰ると雲行きが怪しくなる。

義太夫好きを自認する提灯屋は、お得意の開業式で三百五十ほど請け負ったので来られず、小間物屋はかみさんが臨月で急に虫がかぶり(産気づき)、鳶頭はごたごたの仲裁と、口実を設けて誰も来ないとわかると、だんなはカンカン。

店の一番番頭の卯兵衛まで、二日酔いで二階で寝ているというし、他の店の者もやれ脚気だ、胃痙攣だと、仮病を使って出てこない。
「それじゃ、おまえはどうなんだ?」
「へえ、あたしはその、一人で長屋を回ってまいりまして……」
しどろもどろで言い訳しようとするとだんながにらむので
「ええ、あたしは因果と丈夫で。よろしゅうございます。覚悟いたしました。伺いましょう。あたしが伺いさえすりゃ」と、涙声。

だんなは怒り心頭で
「ああよござんす、どうせあたしの義太夫はまずいから、そうやってどいつもこいつも仮病を使って来ないんだろ。やめます。だがね、義太夫の人情がわからないようなやつらに店ァ貸しとく訳わけはいかないから、明日十二時限り明け渡すように、長屋の連中に言ってこい」と大変な剣幕。

返す刀で、まずい義太夫はお嫌でしょう、みんな暇をやるから国元へ帰っとくれと、言い渡してふて寝。
しかたなく店の者がもう一度長屋を回ると、店だてを食うよりはと、一同渋々やってくる。

茂造が、みんなさわりだけでも聞きたがっていると、うって変わってお世辞を並べたので、意地になっていただんな、現金なものでころりと上機嫌。
長屋の連中、陰で、横町の隠居がだんなの義太夫で「ギダ熱」を患ったとか、佐々木さんとこの婆さんは七十六にもなって気の毒だとかぶつくさ。
だんな、慌ただしく準備をし直し、張り切ってどら声を張り上げる。
どう見ても、人間の声とは思えない。

動物園の脇を通るとあんな声が聞こえる、この家の先祖が義太夫語りを絞め殺したのが祟ってるんだと、一同閉口。
まともに義太夫が頭にぶつかると即死だから、頭を下げて、とやっているうち、酒に酔って残らずその場でグウグウ。
だんな、静かになったので、感動して聞いているんだろうと、御簾内から覗くとこのありさまで、家は木賃宿じゃないと怒っていると、隅で定吉が一人泣いている。

だんなが喜んで、子供でさえ義太夫の情がわかるのに、恥ずかしくないかと説教し、定吉に
「どこが悲しかった? やっぱり、子供が出てくるところだな。『馬方三吉子別れ』か? 『宗五郎の子別れ』か? そうじゃない? あ、『先代萩』だな」

「そんなとこじゃない、あすこでござんす」

「あれは、あたしが義太夫を語った床じゃないか」

「あたくしは、あすこが寝床でございます」

Sponsored Link

 - 古今亭志ん朝

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

古今亭志ん朝 崇徳院

あらすじ 若だんながこのところ患いつき、飯も喉に通らないありさまで衰弱するばかり …

古今亭志ん朝/今戸の狐

★聴き比べ⇒志ん生 今戸の狐 ⇒十代目馬生 今戸の狐 あらすじ 江戸の中橋に名人 …

■古今亭志ん朝 大山詣り

あらすじ 現在、登山はスポーツやレジャーですが、当時は神信心で登っていた。講中が …

★古今亭志ん朝 子別れ・下

子別れ(こわかれ)は古典落語の演目の一つ。 柳派の初代春風亭柳枝の創作落語で、3 …

古今亭志ん朝 浜野矩隨

★聴き比べ ⇒ 古今亭志ん生 浜野矩隨

古今亭志ん朝/化け物使い

あらすじ 本所に独居する、元・御家人の吉田の隠居は人使いが荒いので有名。 桂庵( …

古今亭志ん朝 百川(ももかわ)

『百川』(ももかわ)は古典落語の演目の一つ。6代目三遊亭圓生の十八番だった。 現 …

古今亭志ん朝(十八番)愛宕山

戦前、このネタを得意としたのが3代目三遊亭圓馬であった。 大阪出身で江戸で長らく …

古今亭志ん朝/宿屋の富(高津の富)

宿屋の富(やどやのとみ)は古典落語の演目の一つ。上方落語では『高津の富(こうづの …

■古今亭志ん朝/反魂香(高尾)

『反魂香』(はんごんこう)または『高尾』(たかお)は古典落語の演目の一つ。原話は …