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古今亭志ん生(五代目) 牡丹灯籠(お露新三郎)

      2014/06/11

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牛込の旗本・飯島平左衛門(いいじまへいざえもん)の一人娘お露(おつゆ)は、十六で、生みの母と死に別れ、母のお附き女中であったお国が平左衛門の妾となったことから折り合いが悪くなり、柳島の寮でお米(およね)という女中と別居している。

年明けてお露十七。飯島家に出入りしていた山本志丈(やまもとしじょう)という医者が、根津の清水谷に田畑と長屋を持ち、そのあがりで暮らしている浪人・萩原新三郎を連れてお露の元を訪れる。
新三郎は二十一歳で美男、ふたりはひとめで恋に落ちる。内気なふたりはさほど言葉を交わすこともなく、ただ一度、便所から出てきた新三郎にお露が手洗いの水を差し出し、手拭越しに手を握り合って気持ちを確かめあう。

帰り際、「また来て下さらなければ私は死んでしまいます」といったお露の言葉が新三郎の耳にいつまでも残る。
お露に逢いたい気持ちはつのるものの、ひとりで訪ねるのは気がひける新三郎。志丈が来れば連れていってくれるよう頼もうと思いながら、志丈もなかなか来ない。

約五ヶ月すぎた6月23日。志丈が新三郎の元を訪れ、お露が新三郎に恋焦がれ死に、その看病をしていた女中のお米も続いて亡くなったことを伝えて慌ただしく去る。
お露の寺もわからない新三郎は、俗名を仏壇に備え、毎日念仏を唱える。

7月13日の夜。盆の仕度をして、新三郎が縁側で月をながめていると、カラコンカラコンと下駄の音をさせて外を通るものがある。
ふとみると、ちりめん細工の牡丹のついた燈籠を下げた、お露とお米のよう。

お米が新三郎に気づき、お互いに驚いて話をしてみると、飯島家が志丈を使ってお露には新三郎が、新三郎にはお露が死んだと言わせて諦めさせようとしたに違いないとのこと。
お露とお米はいまは谷中の三崎のあばら屋で暮らしているといい、その晩は新三郎の家へ泊まり、夜の明けぬうちに三崎へ帰っていった。

7月19日。新三郎の持っている長屋に住んでいる伴蔵(ともぞう)は、毎晩新三郎の家から女の声がするのを不審に思い、戸の側からのぞき、蚊帳の中で新三郎と語り合うお露と、側にひかえるお米の姿を見て驚く。
ふたりは骨と皮ばかりの幽霊であった……

7月20日未明、伴蔵は同じく新三郎の長屋に住む白翁堂勇斎(はくおうどうゆうさい)という人相観(にんそうみ・占い師)に昨夜見たことを伝える。
すっかり明けた頃、勇斎と伴蔵は新三郎の家を訪れ、人相を見ると二十日以内に死ぬ相が出ている。

お露とお米の正体を確かめるべく、新三郎は三崎へ行き、周りに尋ねるもそのような女二人暮らしに当たらない。
帰りに新幡随院(しんばんずいいん)を通ると、お堂の後ろに新しい墓があり、角塔婆の前に見覚えのある牡丹燈籠が置いてある。
寺の者に聞くと、お露とお米の墓だという。

驚いた新三郎は家に戻って勇斎に顛末を話し、かねてから勇斎と懇意にしているという新幡随院の良石(りょうせき)和尚に相談に行く。
良石和尚は死霊除けの海音如来(かいおんにょらい)というお守りと雨宝陀羅尼経というお経、家に貼るお札を新三郎に授ける。

その夜、八つの鐘(深夜2時ごろ)が鳴り、いつものようにお露とお米が新三郎の家を訪れるが、四方八方にお札が貼ってあるため入ることができない。
お露は新三郎の心変わりにさめざめと泣くのであった……

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