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柳家喬太郎 結石移動症

      2014/01/31

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あらすじ

池袋で洋食屋を営むおやじ、ケンちゃん。
近くにあるソープランド「丸海老」に出前をし、そこのソープ嬢たちは、ケンちゃんの美味しいとは言えない洋食を食べによく来る常連客。

最近、ケンちゃんの体調がよくなく、渋々ながら医者へ行ってみると、結石移動症という奇病だと言われる。
結石が体中のあちこちを移動するため、レントゲンにも映らず、どうすることもできない。
(「そんな病気あるの?」「あるんだよ、落語だから」)ふいに痛みがさすやうに来るため、ケンちゃんは店のシャッターを閉めてしまう。

するとソープランドで働く人たちが、心配して店に見舞に来る。
手みやげの、ハインツのソース缶詰合せに苦笑するケンちゃん。
そんなころ、ケンちゃんの息子が婚約者を連れてやってくる。

婚約者は、なんと元ソープ嬢のみどりで、ケンちゃんとも顔なじみ。
けれど彼女は、自分が元ソープ嬢だということを婚約相手である息子には隠していて、ケンちゃんはそれが気に入らない。

「ケンちゃんが、ソープ嬢でも胸を張って生きろって言ってくれたから、だから、こうして今があるんだよ。どうして?やっぱりソープ嬢ぢゃあ、駄目なんだ」

「そうぢゃねえよ。お前、結婚すればこれからずうっと一緒にいなくちゃならねえんだぞ。ソープ嬢だったから、ぢゃねえよ。それを息子に隠してたことが、気にいらねえんだ」

そんなやり取りをしていると、またケンちゃんの体に痛みが走る。
その苦しむ姿を見て、みどりが、大塚にいる名医を呼ぼうと言う。

「なんだ、お前。結婚したくてご機嫌とりか」

「そうぢゃないよ。結婚なんて、もう、どうでもいい。ただケンちゃんに治ってほしくて、それだけ」

呼ばなくていいと言うケンちゃんに構わず、みどりは、針医の堀田三郎を呼ぶ。
みなでケンちゃんを押さえつけ、堀田が針を打つ。
とんとんとん、と打ってゆくと、結石が体のなかを動き、尿道を伝って、ぽんと外に出る。

「こんなことをしてもらったからって、べつに、結婚を許すわけぢゃねえからな」と言いつつ、みんなに食事でも、とケンちゃんは、ハインツの缶詰を温めさせる。

「何人分?」

「何人って……ここにいる人数分だよ」

そうしてこの話は、針医堀田(ハリーポッタ)の名が広まるに連れ、噂になり、有名になり、本になり、映画にもなったいう、
「針医堀田とケンちゃんの石」という一席でした。

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