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■古今亭志ん生(五代目) おかめ団子

      2014/11/06

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あらすじ

麻布飯倉片町に、名代のおかめ団子という団子屋がある。
十八になる一人娘のお亀が、評判の器量よしなので、そこからついた名だが、暮れのある風の強い晩、今日は早仕舞いをしようと、戸締りをしかけたところに「ごめんくだせえまし、お団子を一盆また、頂きてえんですが」と、一人の客。

この男、近在の大根売りで、名を多助。
年取った母親と二人暮しだが、これが大変な親孝行者。
お袋がおかめ団子が大好物だが、ほかに楽はさせてやれない身。
しかも永のわずらいで、先は長くない。
せめて団子でも買って帰って、喜ぶ顔が見たい。

店の者は、忙しいところに毎日来て、たった一盆だけを買っていくので迷惑顔。
邪険に追い返そうとするのを主人がしかり、座敷に通すと、自分で団子をこしらえて渡したので、多助は喜んで帰っていく。

中目黒の家に帰った多助、母親が嬉しそうに団子を食べるのを見ながら床につくが、先ほど主人が売上を勘定していた姿を思い出し、大根屋では一生お袋に楽はさせられない、あの金があればと、ふと悪心がきざす。
頬かぶりをしてそっと家を抜け出すと、風が激しく吹きつける中、団子屋の店へ引き返し、裏口に回る。
月の明るい晩。

犬にほえたてられながら、いきあたりばったり庭に忍び込むと、雨戸が突然スッと開く。
見ると、文金高島田に緋縮緬(ひじりめん)の長襦袢(ながじゅばん)、鴇(とき)色縮緬の扱帯(しごき)を胸高に締めた若い女が、母屋に向かって手を合わすと、庭へ下りて、縁側から踏み台を出す。
松の枝に扱帯を掛ける。
言わずと知れた首くくり。
実はこれ、団子屋の娘のお亀。

多助あわてて、「ダミだァ、お、おめえッ」「放してくださいッ」声を聞きつけて、店の者が飛び起きて大騒ぎ。
主人夫婦の前で、多助とおかめの尋問が始まる。
父親のツルの一声で、無理やり婿を取らされるのを苦にしてのことと分かって、主人が怒るのを、太助、泥棒のてんまつを洗いざらい白状した上、「どうか勘弁してやっておくんなせえ」主人は事情を聞いて太助の孝行に感心し、罪を許した上、こんな親孝行者ならと、その場で多助を養子にし、娘の婿にすることに。

お亀も、顔を真っ赤にしてうつむき、「命の親ですから、あたくしは……」これでめでたしめでたし。
主人がお内儀さんに、「なあ、お光、この人ぐらい親孝行な方はこの世にないねえ」「あなた、そのわけですよ。
商売が大根(=コウコ、漬物)屋」。
多助の母親は、店の寮(別荘)に住まわせ、毎日毎日、おかめ団子の食い放題。
若夫婦は三人の子をなし、家は富み栄えたという、人情噺の一席。

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