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桂枝雀 産湯狐

      2014/06/14

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しばらくのあいだ、お付き合いを願うのであります。
「狐・狸は人を化かす」といぅことをよく申すのでございますが、昨今は余り化かさなくなりました。そぉいぅ話、聞かんよぉなりましたね。動物園へまいりましても、たいてぇ横着でみな寝ております。

なぜにそんなことなったかと言ぅと、きっと狐・狸のほぉが人間を見限ったのではないかと思うのでございますねぇ。化かす化かされるといぅことは一種のコミュニケーションでございますからね、あぁいぅものはあっていぃわけで、嬉しぃわけで、プラス材料でございますねぇ。

人間のほぉがまだ自然の一員としての分を守っておりましたんで、昔は狐・狸が人間を仲間として認めてくれたわけですねぇ。ですから、狐・狸は「化かしてやろぉ」人間のほぉは「化かされちゃったぁ」といぅよぉな、そこに共通体験があって、いわゆる一種のコミュニケーションでございますねぇ。

それが、人間がまことに専横になりまして動物園といぅよぉなものをこしらえて、狸をオリの中へ入れて人間のほぉが勝手に一方的にといぅよぉな、いわゆるこの自然の一員としての分を、法(のり)を越えたわけでございますから、狐・狸がもぉ人間を見限って「あんなやつ化かしてやるかぁ」といぅよぉな気になったわけでございます。

まことに悲しぃ限りでございまして「化かされたいなぁ」とも思うのでございますが、もぉ一つの理由は恐らく「暗がり」といぅものの存在でございましょ~ね。この頃はホンマに世の中明るなりました。暗がりといぅものがことに我々の身辺には無くなってしまいました。ひと晩じゅ~明るいのでございますからね。

ひと昔前は結構暗がりございました。表は当り前のこってございますが、わたしらの小(ち)さい時分、家ん中にも暗がりはありました。押入れの中とかね、二階へ上がる梯子段とかね、お便所行く廊下とかね。けっこぉ暗がりはあったんでございます。

ですからお便所行くといぅのも今日日(きょ~び)の子は何でもありません、明るございますから。パチッ、シュ~、ジャ~、パチッ……、何でもありませんが、わたしらやっぱり裸電球みたいなんが一つボ~ッと点いてるだけでございますから、ことにこの昼間に恐ぁ~い紙芝居か何か見た晩などは、ふと目は覚めるのでございますが「行きたくないなぁ~」といぅよぉなね。

でもまぁ勇気を起こして行くか、それとも甘んじて屈辱の朝を迎えるか、たいてぇまぁ後者を選んだよぉなことでございます「お母ちゃん、またやった」なんて「社会科の成績がいぃわね」なんてよく言われたもんでございます。
面白いもんでございますが、まぁ狐・狸といぅもんとのコミュニケーションも、今一度取り返したいよぉな気もすんのでございます。

あらすじ

七年前、極道の限りを尽くして飛び出した息子吉松の影膳を産湯稲荷に届ける隣りのお米(よね)婆さんが産湯の森で倒れてしまう。
知らせを聞いた隣りの竹、お咲夫婦の世話で医者に診せたところ風邪をこじらせただけで十日もすれば良くなるだろうとのこと。
ひと安心したその夜中、お米婆さんの所へ誰か訪ねて来ている様子。
壁に穴を開け覗いてみると……

原作:小佐田定雄

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