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■桂枝雀 代書屋

      2014/06/25

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あらすじ

色街の箱屋に応募するので、履暦書の代書を頼みに来た男。
長男かと聞くと、兄貴が死んだので長男になったとトンチンカンな答えで、一字訂正・判。
生年月日を聞けば旅順陥落提灯行列の日を答えるし、職歴では、大正三年九月饅頭屋をを開業しようとしたが、家賃が高いからやめた、で二行抹消。
同十二月露天商は二時間でやめた。
また二行抹消とメチャクチャ。
署名しろと言うと無筆。
自署不能ニ付代書・判。
次に来たのは六十がらみの上品な老人。
結納の受取を毛筆でという注文。
墨が悪いと摺り直させ、代書事務所の看板を見て、やれ字の右肩が下がっている、心棒が歪んでいると難癖をつけたあげく「また今度」。
お次は、妹の渡航証明を頼みに来た外国人。
言葉がかみ合わず四苦八苦。
よく聞いてみると戸籍証明がメチャクチャなので、これでは受理されないと、死亡届、死亡届失期理由書、出生届、同じく失期理由書と書類の山。
戸籍の再作成は(当時は)科料十円取られると聞いて、怒って行ってしまう。
骨折り損のくたびれもうけ。
最後は十二、三の丁稚(でっち)。
今の老人宅からお邪魔料を届けに来たので、受取に署名と判が欲しいという。
老人は中気で引退したが、滴堂という有名な書家とか。
書家の奉公人だけあって、この小僧もうるさい。
「それで『中』の心棒が歪んでます」降参して小僧に代筆させると、これが見事な筆。
判だけお願いしますと言うので押そうとしたら、名前の横に「自署不能ニ付代書」。

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