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柳家権太楼(三代目) 短命(長命)

      2014/06/09

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八五郎が隠居の家にやって来た。
八五郎「おもての伊勢屋さんとこの養子が、また亡くなりましたよ。これで三人目でさあ。
ああよく亡くなると、気の毒を通り越して、ばかばかしいくらいのもんで……」
隠居「また亡くなったのかい。あの家は、来る婿も来る婿も、みんな亡くなるが、まあ、無理もないなあ」

八五郎「へえ、無理もないってえのは、どういうわけですかい?」

隠居「よく考えてごらんよ。家つきの娘さんは、町内でも評判の美人で、まったく惚れ惚れするような器量よしだ。お金はあるし、店は、忠義者の番頭さんが取りしきってやっているから、これという用事はなし、若夫婦が、居間で、朝から晩までさしむかいで、うまいものを食って、ぶらぶらしているだけだ。ほかにすることがないじゃないか」

八五郎「へえ、そうですかね」

隠居「わからないかな。つまりだな。ふたりが、さしむかいで、話かなんかしている。火鉢にあたってる旦那の手が、おかみさんの手にさわったりするだろう。それで、旦那が、おかみさんの顔を見ると、これが、ふるいつきたいような器量よしだ……だから、養子も長生きできないんだ」

八五郎「指先に、毒でもあるんですか?」

隠居「わからないな。つまりだよ。仮りにお茶を飲むたって、おかみさんが、お茶菓子かなんか、箸でつまんで旦那に渡すだろう……見れば白魚を並べたようなきれいな指だ。それで、おかみさんの顔を見れば、これが、ふるいつきたいようないい女だ……旦那だって、思わず……なにするじゃないか。だから短命だよ」

-隠居が、繰り返し、繰り返し言って聞かせたので、ようやく理解した八五郎は、

わが家に帰り、伊勢屋の婿をまねて、お茶をいれてくれと、女房に言った。
女房が、茶わんを手渡ししようとすると、

八五郎「まあ待ちなよ……こうして、指と指がさわってと……そうだ……かみさんの顔をじいっと見ると、これが、ふるいつきたいようないい女……じゃねえ…‥あーあ、おれは長命だ」

あ~っ…ボクも伊勢屋の養子になりたい…

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