【落語チャンネル】 ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

■立川志らく 青菜

      2014/02/01

Sponsored Link


あらすじ

初夏のさわやかなある日、隠居が出入りの植木屋と話をしている。植木屋はすっかり仕事を終えて片付けようとしているところ。
「ああ、御苦労さんじゃな。植木屋さん、こっち来て一杯やらんかいな。」
「へえ。旦那さん。おおきにありがとさんでございます。」
「一人で飲んでてもおもろあらへん。植木屋さん相手に一杯飲もうと用意してましたのじゃ。どや、あんた柳蔭飲まんか。」
「へっ! 旦那さん、もうし、柳蔭ちゅうたら上等の酒やおまへんか。いただいてよろしいんで?」
「遠慮せんでよろし。こうして冷やしてました。さあ、注いだげよ。」
「こら、えらいありがたいことでおます。」
と、柳蔭(上等の味醂酒)を御馳走になり、
「うわあ、いい酒でんなあ。」とすっかりいい気分のところへ、ご隠居は「鯉の洗い食べてか。」と鯉の刺身を勧める。
植木屋は「へえっ! こらえらいもんを! 鯉ちゅうたら、もうし、大名魚言うて、わたいらのようなもん、滅多に食べられまへんで。」とこれまた鯉も御馳走になる。
旨い酒に上等の料理をよばれると今度は「青菜食べてか。」
「へえっ!こらまたえらいもんを! 青菜ちゅうたら、もうし、大名菜言うて……。」
「そんなアホなこといいなや。そんなら待ってや。」と隠居手を叩いて
「奥や! 奥や!」と声をかける。
次の間から来た奥方に青菜を出すように言う。

ほどなく出てきた奥方が「鞍馬から牛若丸が出でまして名も九郎判官」「ああ、義経。」
いぶかる植木屋に
「これは、もう食べてもて青菜がないのやが、お前はんの前で言うのはみっともないよって、名(菜)も九郎(食ろう)判官としたのや。そこでわしもよしとけ(義経)と、洒落言葉で言うた訳じゃ。」

隠居の粋なやりとりに感心した植木屋は「そんなら、うちのカカにも言わせますわ。」と、飛んで家に帰り、嫁に隠居のいきさつを語って、
「お前もこんなことできるか」
「何やねん。それくらい屁ェで言うたるわ。」
「言うたな。もうすぐ大工の竹が来るから。用意しとけ。」と急ぎ酒肴を用意させ、隣の部屋がないので嫁を押し入れに入れてしまう。

おりしもやってきた友人に「
ああ。植木屋はん。」
「何いうとんねん。植木屋、おまえやないか。俺は大工や。」
「あんた、柳蔭飲んでか。」
「えっ!? お前ええのン飲んでるやないか。ご馳走になるわ……。これ、濁酒やないかい。」
「ああ。さよか。」
「ああ、さよかて、お前なんか変なもん食うたんか。」
「ああ、植木屋はん。」
「植木屋ちゃうて。」
「あんた鯉の洗い食べてか。」
「えっ!? お前そんなん食うてんのか。ふだんから金ない言うといて……。どれどれ……。おい! これおからやないか!」
「ああ、さよか。」
「あんなんばっかしや。」と、植木屋、自分がされたとおりにいくが、なかなかうまくいかない。

ようよう、「あんた、青菜食べてか。」にこぎつくが、「わい、青菜嫌いや!」とにべもなく断られる。
「おい、そんなこと言うてんと御馳走になるて、言うてな。」と泣きだすので
「何や。何かのまじないか。そんならよばれるわ。」
「さよか。奥や! 奥や!」植木屋うれしそうに手を叩く。

嫁が押し入れから「はい旦那さん。」と飛び出すので「何や、ここの家は!?」と友人腰を抜かす。
「あれ!? 嫁はん又、押入れ入って行きよったで。けったいな家やで。あっ! また出てきた、うわぁ、でぼちんに汗かいとるがな。何か言うてるで。聞いたり、聞いたり。」と友人があきれる中、
嫁は「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官義経。」と、植木屋の台詞までみんな言ってしまう。

「ええっ!! 弁慶にしておけ。」

概略

上方ネタである。東京へは3代目柳家小さんが移植して以降、小さん一門の得意ネタとなった。初夏のころの季節感あふれる小品で、6代目春風亭柳橋は、その駘蕩とした口調で、爽やかな季節を見事に表現していた。変わったところでは、3代目春風亭柳好は冷素麵をマスタード(西洋がらし)で食べ、口直しに青菜を食べる演出を取っている。
上方では、2代目桂春団治、(「神戸の春團治」と呼ばれた初代桂春輔に稽古をつけてもらった)笑福亭仁鶴、2代目桂ざこばなど多くの落語家が得意としている。上方では植木屋が隠居に嫁の愚痴をこぼすとき「…この前も、おいど(尻)の膏薬張り替えて言うさかい、おいどまくって出せ言うたら、いきなりわたいの目の前でブウッ!でっせ。」というナンセンスなクスグリが入り、長屋住まいの庶民の生活感が濃厚である。

Sponsored Link

 - 立川志らく ,

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

  関連記事

立川志らく
立川志らく 野ざらし

【ニコニコ動画】【落語】_立川志らく_野ざらし

立川志らく
立川志らく 親子酒

「親子酒」 立川志らく 親子酒(おやこざけ)は、古典落語の演目の一つ。 原話は上 …

立川志らく
立川志らく 時そば(時蕎麦)

立川志らく_時そば 『時そば』(ときそば)は、古典落語の演目の一つ。『刻そば』と …

立川志らく
■立川志らく 大工調べ

立川 志らく(たてかわ しらく、本名・新間 一弘、男性、1963年8月16日 & …

立川志らく
■立川志らく 火焔太鼓

立川志らく『火焔太鼓』

立川志らく
■立川志らく 粗忽長屋

⇒★聴き比べ

立川志らく
■立川志らく らくだ

立川志らく らくだ 『らくだ』は、古典落語の演目。上方落語の演目の1つである。 …

立川志らく
立川志らく 金明竹
立川志らく
立川志らく 掛け取り(掛取万歳)

掛取万歳(かけとりまんざい)は落語の演目の一つ。 上方落語では天下一浮かれの掛け …

立川志らく
立川志らく 短命(長命)

短命(たんめい)は、古典落語の演目のひとつ。東京・上方両方で広く演じられる。 縁 …