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立川談春 九州吹き戻し

      2014/03/20

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あらすじ

放蕩の挙げ句、お決まりで勘当された、元若だんなのきたり喜之助。
それならいっそ、遊びのしみ込んだ体を生かそうと幇間になったが、金を湯水のごとく使った癖が抜けず、増えるのは不義理と借金ばかり。
これでは江戸にいられないと、夜逃げ同然に流れ流れてとうとう肥後の熊本城下へ。
一目で一文なしとわかるみずぼらしい風体になったので、どの宿屋も呼び込んでくれない。
ふと眼についたのが、江戸屋という旅籠(はたご)の看板。
江戸という名の懐かしさに、えい、なんとかなるだろうとずうずうしく上がり込み、明日は明日の風が吹くとばかり、その夜は酒をのんでぐっすり寝入ってしまった。
翌朝、「おや、喜之さんじゃなか」と誰かが声を掛けるので、ひょいと見ると昔なじみで、湯屋同朋町にいた大和屋のだんな。
このだんなも商売をしくじり、江戸を売って遙々この地へ流れ着き、今ではこの旅籠の主人。
喜之助、地獄に仏とばかり、だんなに頼んで板場を手伝わせてもらい、時には幇間の「本業」を生かして座敷にも出るといったわけで、客の取り持ちはさすがにうまいので、にわかに羽振りがよくなった。
こうして足掛け四年辛抱して、貯まった金が九十六両。
ある日、だんなが、おまえさんの辛抱もようやく身を結んできたんだから、あと百両も貯めたらおかみさんをもらい、江戸屋ののれんを分けて末永く兄弟分になろうと言ってくれたが、喜之助はここに骨を埋める気はさらさらない。
日ごと夜ごと、江戸恋しさはつのるばかり。
そこでだんなに、一人のおふくろが心配で、と切り出すと、おまえさんのおっかさんはもう亡くなっているはずだがと、苦笑しながらも、まあ、そんなに帰りたければと、親切にも贔屓(ひいき)のだんな衆に奉賀帳を回して二十両余を足し前にし、餞別(せんべつ)代わりに渡してくれた。
出発の前夜、夢にまで見た江戸の地が踏めると、もういても立ってもいられない喜之助、夜が明けないうちに江戸屋を飛び出し、浜辺をさまよっていると、折よく千五百石積の江戸行きの元船(荷船)の水手(かこ=船乗り)に出会った。
便船(荷船に客を乗せること)は天下のご法度だが、病気のおふくろに会いに行くならいいだろうと、特別に乗せてもらうことになった。
海上に出てしばらくは申し分ないよい天気で、船は追い風をはらんで矢のように進んだが、玄界灘にさしかかるころ、西の空から赤い縞(しま)のような雲が出たと思うと、雷鳴とともにたちまち大嵐となった。
帆柱は折れ、荷打ちといって米俵以外の荷は全て海に投げ込み、一同、水天宮さまに祈ったが、嵐は二日二晩荒れ狂う。
三日目の夜明けに打ち上げられたのが、薩摩(さつま)の桜島。
江戸までは四百里、熊本からは二百八里。
帰りを急ぎ過ぎたため、百二十里も吹き戻されたという話。
[出典:落語あらすじ事典 千字寄席]

http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2006/10/post_aa3b.html

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