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桂吉朝 七段目(しちだんめ)

      2014/06/09

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常軌を逸した芝居マニアの若旦那は、家業そっちのけで芝居小屋に出入りしている。
私生活もすっかり歌舞伎一色に染まってしまい、何をやっても芝居のセリフになってしまうのだ。
例えば、人力車を停めようとするだけでもつい芝居がかってしまい、車の前に飛び出して
「そのくるまァ、やァらァぬゥー」。
その日も、若旦那が出て行ったっきり帰ってこないので、頭に来た旦那が小言を言ってやろうと待ち構えていると、そこへ何も知らない若旦那が帰ってきた。
「遅いじゃないか!?」
「遅なわりしは、拙者が不調法」
「いい加減にしろ!」とつい殴ってしまい、慌てて謝ると
「こりゃこのおとこの、生きィづらァをー」。
あきれた旦那が若旦那を2階へ追い払うと、
「とざい、とーざーい」と物凄い声を張り上げる。
閉口した旦那は、小僧の定吉に止めてこいと命じる。
2階に上がった定吉は、ガラリ戸をあけて
「やあやあ若旦那、芝居の真似をやめればよし、いやだなんぞとじくねると…」。
どうやら、定吉もかなりの芝居好きのようだ。
そのまま2人で芝居をやろうということになり、選ばれたのは忠臣蔵の『七段目・「祇園一力の場」』だ。
定吉がお軽、若旦那が平右衛門をやることにし、定吉を赤い長襦袢と帯のしごき、手拭いの姉さんかぶりで女装させたのはいいが
「平右衛門の自分が、丸腰というのは変だ。そうだ定吉、床の間にある日本刀を持っておいで」
「え!?」定吉が逃げ出しそうになったので、刀の鯉口をコヨリで結び、下げ緒でグルグル巻きにする若旦那。
芝居を開始するも、「その、頼みという…はな…」だんだんと目が据わってきた若旦那に、嫌な予感を覚える定吉。
「妹、こんたの命ァ、兄がもらったッ」コヨリと下げ緒をあっという間にぶっちぎた若旦那が、抜き身を振りかざして定吉に襲い掛かってきた。
慌てて逃げ出した定吉は、足を踏み外して階段から転げ落ちてしまう。
そこに旦那が駆けつける。
「おい、定吉、しっかりしろ!」
「ハア、私には勘平さんという夫のある身…」
「馬鹿野郎。丁稚に夫がいてたまるものか。また芝居の真似事か。さては2階であの馬鹿と芝居ごっこをして、てっぺんから落ちたか」

「いいえ、七段目。」

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