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三遊亭圓丈(三代目) 悲しみは埼玉へ向けて

      2014/06/09

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「悲しみは埼玉に向けて」(かなしみはさいたまにむけて)は、三遊亭圓丈による新作落語の演目。会話シーンもあるが、地噺(あるいは漫談)に近い。

概要

北千住駅から新栃木駅に向かう東武伊勢崎線や、日光線、日比谷線などの電車内、ならびに沿線で繰り広げられる数々の人生模様を描く。
東武鉄道や東京北部(圓丈が住まう足立区など)、そして題名にある埼玉に漂う「B級」あるいは「寂れた」イメージを極端な形で表現している。「19時43分発、準急新栃木駅行きの発車のベルは、まだ鳴っています」というセリフがブリッジのように差し挟まれ、笑いを誘う。
後半は怪談噺的な場面も織り込まれ、客を飽きさせない構成となっている。
土地勘のある人間には爆笑を呼び、圓丈新作の代表作ともいえる。ただし関東近郊在住者でないと意味が全く理解できないため、地方の公演で演じることはまずない。
他の噺家が、地名を入れ替えるなど換骨奪胎した改作を演じることもある。

あらすじ

北千住駅、東口は3階、西口は4階以上の建物がなかった……
そう、俺はこんなハナシをしたことが、あった、なぁ~~~、と感慨にふけっている。つまり今までは、回想シーン、思い出してただけ。
あれからン十年、北千住はおお~きく変わったんです。
パチンコ屋が2件あったが、「亀屋」はつぶれた。もう1件の「びっくり屋」はなぜか東口と西口にそれぞれ店舗を構えたが、両方とも「びっくり屋part2」だという。駅の周辺も、ルミネが建って世界が変わった。商店街も「キタロード1010」と改名、この数字は千住(千十)の洒落だ。そしてついに丸井が出来てしまった。
日比谷線で走ると、上野、入谷、三輪、南千住、北千住、次が小菅の刑務所。このことから、人は「悲しみの北千住」と呼ぶ。
日光線は浅草から西新井を経て日光へ……寺から寺への巡礼ツアーと呼ばれる。
今日は竹の塚から帰ってみようと思ったのだ。ここは地下に千代田線、1階がJR、2階から4階までが東武、電車のデパートと呼ばれている。普通の電車は車内のマナーで周りに迷惑をかけるなとか、駆け込み乗車はやめるように と呼びかけている。
東武は違う。「やめましょう電車に石を投げるのは」
西新井……東武のことわざに言う「下りるが勝ち」。ここで下りないとこの先は埼玉なのだ。下りる乗客は残った客を白い目であざ笑いながら去って行く。
北越谷伝説というのがある。サラリーマンがやっと家を建てたが、父親からは埼玉に建てたと馬鹿にされ、母親からは越谷なんかに家を建てる子を産んだ覚えはないと言われ……とうとう駅で首を吊ったという……
女の子が電車へ乗り込み、つり革で顔を隠して泣いている。男が千代田線へと去って行った。彼女は帰りにリンゴを買うのだろう。
そして一人泣きながらナイフで皮をむく。ふと手がとまり、涙の中にナイフの光だけが……そうなったら大変だ。声を掛けた方が良いだろうか……
「お嬢さん、大丈夫かい」
「私、彼に捨てられたの」
「そのくらい何だ、おじさんだって世の中に……」
その瞬間、はっと気づいた……準急列車は竹の塚には止まらないのだ。あわてて下りる。
とたんにドアが閉まって、列車はゆっくりと動き出す……
悲しみは、夜の闇の中へと走り去った。

登場する駅と風景

北千住駅 – 周辺の下町風景、足立学園、佐野短期大学(佐野厄除け大師)
入谷駅 – 鬼子母神
三ノ輪駅 – 万七親分(銭形平次捕物控)
小菅駅 – 東京拘置所
浅草駅 – 会津鉄道
西新井駅、一ノ割駅
越谷駅 – 東武鉄道沿線を揶揄
新栃木駅 – 栃木駅

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