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柳家小三治(十代目) 提灯屋

      2014/06/07

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提灯屋(ちょうちんや)は古典落語の演目の一つ。元々は上方落語の演目で、3代目三遊亭圓馬から4代目柳家小さんに伝わり、東京へと移植された。
現在は三遊亭小遊三の十八番となっている。

あらすじ

夏の暑い盛り。
例によって町内の若い衆がより集まり、暑気払いに一杯やろうと相談がまとまる。と、そこへ八五郎がチラシを持ってやってきた。
何でも、さっき道を歩いていたチンドン屋にもらったんだとか。
「もしかしたら、食い物屋の広告かも」と考えた一人の江戸っ子が、広告の中身を読んで聞かせようとするが…。
この男、字が読めなかった。
「トンカツじゃないし、洋食でもないな。『マル』…上方でスッポンのことをこう呼ぶんだと。『カシワ』…こいつは鶏肉のことだ。これでもないし…」
仕方がないので、広告を回して読める奴に読んでもらおうとするも、どいつもこいつも文字の読めない奴ばかり。
『昔は手書きでな、上が赤く染めてあって、『天紅』などと呼ばれていたんだ。それが今では活版印刷といって、字が大きくて見やすい』などと、広告の講釈をするので、いざ読ませてみると全然だめだったり、『匂いで文字を当てる』と豪語する奴に広告を渡すと
「ウーン…印刷屋だ」
「馬鹿野郎!!」
大もめにもめていると、うまい具合に米屋の隠居が通りかかった。早速呼び込んで、例のチラシを見せてみると
「私の若い時分は手書きでな、上が赤く染めてあって、『天紅』などと呼ばれていたんだ。それが今では活版印刷といって」とどこかで聞いたような話。
「次へ回しますか?」
「何だ?」
「あ、いいや…」
「えーと。【ご町内において、提灯屋を開業つかまつり候。なお、開店三日間、ご祝儀といたしまして、お買い上げの提灯には紋所、即座にて書き入れ申し候】。提灯屋だな、この広告は」
「提灯屋!? おい、いったい何を飲むんだよ…。油か?」
「まてまて、まだ続きがあるぞ。【もし、ご注文の紋書けざる節には、お買い上げの提灯、無料にてお持ち帰り願いいたします】
「何!? 書けない紋があったら、提灯を一個無料で進呈するって!! 生意気な…」
挑戦的な文句が逆鱗に触れた江戸っ子連中。中でも反骨精神のたくましい数名が、提灯屋に天誅を加えるべく飛び出していった。

一人目
「おい、この広告出したのお前か?」
「え? はいはい、当方でございます」
「そうか。ま、広告回しておいて、後でとぼけるような奴もいるからな。確認しただけだ。気を悪くするなよ」
「へぇへぇ。そうですか。で、ご注文は…」
「その前に訊くがな、この『もし、ご注文の紋書けざる節には、お買い上げの提灯、無料にてお持ち帰り願いいたします』って言うくだり…本当か?」
「え? アァ、事実でございますが」
「じゃあ、お前の後ろにある提灯…あれをくれ」
「後ろ…あぁ、ぶら提灯ですね。では、家紋を入れますので紋帳を取って…」
「必要ないよ。口で言うからさ」
「そうですか。では、どうぞ」
「『大蛇を鍾馗様が寸胴切りにした』…という紋だ」
「え? 何ですか?」
「分からない。あ、そう…。大蛇はウワバミって言うだろ? そいつが真っ二つになったら、《ウワ》《バミ》って言うものになる。その片方だから片バミだ。で、鍾馗様は剣を持っていて、その剣でウワバミを斬ったから【剣片喰】。提灯もらうぞ!!」

二人目
「えーと、提灯をくれ!」
「また来た…。何をご入用ですか?」
「そうねぇ…。じゃあ『床屋の看板が、お湯に入って「熱い!!」』なんて紋でどうだ?」
「は?」
「分からねぇのか? 分からなかったら提灯もらうぞ?」
「と、言われましても…」
「分からない。シカと了解した! よく聞け、床屋の看板はねじれているだろ、そいつが湯に入って『熱い!!』。だから埋めろ…。答えは【捻じ梅】だ。じゃあな、あばよ!!」
パニックの果てに[編集]
こんな具合に、若い衆が提灯を何個もただでもらっていることを知り、気の毒になった米屋の隠居が提灯屋にやってくる。
「ここだな。広告を回したのは…。さっきまで若い衆がぞろぞろと押しかけていたようだが、すまなかったな」
「この野郎…。てめぇか、あいつらの親玉は…」
「何を言ってるんだ。高張をくれ」
「高張!! 一番高い奴だぞ!!」
「紋は【円に柏】」
「マルにカシワ…? スッポンと鶏か!?」

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 - 柳家小三治(十代目)

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