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柳家小さん(五代目) 提灯屋

      2014/06/08

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提灯屋(ちょうちんや)は古典落語の演目の一つ。元々は上方落語の演目で、3代目三遊亭圓馬から4代目柳家小さんに伝わり、東京へと移植された。
現在は三遊亭小遊三の十八番となっている。

あらすじ

女のチンドン屋から活版刷りの広告をもらった。
仲間内のところに持ち込んで広告の内容を考えたが、誰も文字が読めない。
食べ物屋ではないかとか、「お二階へご案内」とか、いろいろ出たが誰もなにも解らなかった。

そこに隠居が通りかかり、読んでもらうと、
『この度、唐傘、提灯店を開業しました。多少に関わらずご用命下されたく御願います』
これは、提灯屋が出来たんだな。だれだ、お二階へどうぞ、と言ったのは。

続きがあって
『7日間の内、お買上の品物に紋所を無料にて書き入れます。万一、書けざる紋が有ったらお望みの提灯無代にて進呈します。柏町一丁目提灯屋分羅右衛門』
と書かれていた。

「なまいきだ、字ばっかりだから、解らなかったんだ。提灯の絵ぐらい描けばいいんだ。よーし、丸にケンカタバミだが、タダでもらってこよう。証拠にその広告を貸してよ」

提灯屋に来て、弓張り、細、手丸、岐阜、ホオズキ、いろいろ有るが、ブラ提灯に決めた。
紋は「鍾馗(しょうき)様が大蛇を胴切りにした。と言う紋を書いてくれ」
「真ん中に鍾馗様を…」
「違う。判じ紋だから、判じてくれ」
「それは解りません」
「それじゃ~もらうよ。ウワバミを胴切りにしたんだから、片っ方はウワ、片っ方はバミ、鍾馗様は剣を持っているから、ケンカタバミだ」
「それなら書けます」
「ダメだ。今書けないと言っただろ」
「わ~い、タダでもらってきたぞ~~」
「そうか。判じ物でいけばいいんだな。俺も行ってくる」

「提灯屋、広告を回したのはお前のとこだな」
「へい」
「書けなかったらタダくれるな。だったら、ブラ提灯をくれ。この提灯は下取りしてくれるかな」
「いえ。どんなご紋ですか」
「仏壇の地震だ」
「先程も変なこと言ってきた方がありますが、それは書けません」
「仏壇が地震に合うと、リンもドウも崩れるだろう。だからリンドウクズシだ」

「わ~い、俺もタダでもらってきたぞ~~」
「じゃ~、俺ももらってこよう」。

「紋が書けなかったら、タダで提灯くれるというのはここだな」
「へい」
「ブラ提灯くれ。紋は髪結い床の看板が湯に入って熱い、というものだ」
「それは解りません。それは?」
「髪結い床の看板はみんなねじれているな、熱い湯だからうめろと言うだろ。だからネジウメだ。もらって行くよ」

「わ~い、俺だってタダでもらってきたぞ~~」
「4番目で恥ずかしいが、俺も行ってこよう」

「提灯屋。お前のとこだな、タダで提灯くれるというのは」
「紋が書けない時ですよ」
「ブラ提灯をくれ」
「ブラ提灯はもうありません」
「その柄の付いた提灯でいいよ」
「これはお高いので…」
「いいよ、タダもらうんだから。こっちにかせよ。じゃ~、もらって行くよ」
「ちょっと、ちょっと、紋が書けないときですよ」
「そうだった。ソロバンの掛け声が81で、商売を始めたんだな。儲かったんだな。持ち付けない金を持ったので道楽を始め、家に帰らないこともあった。そうするとカミさんだって黙っていないよ」
「紋は?」
「これが紋だ。ちゃんと聞けよ。これは男の働きだと言ってカミさんを離縁してしまった。気の毒じゃネェか、と言うような紋だ」
「そんな続き物みたいな…」
「ソロバンの81はクク81、商売して利があったからリだ、奥さんが去ったからサル、でククリザルだ。もらっていくよ」
「お、お、お!書けるとも書けないとも言う前に、持って行ってしまった。畜生、悪いところに店を出しちまった」

「みんな提灯もらって、今晩は提灯行列だ」
「提灯屋に可愛そうなことしたな。私が埋め合わせをしてこよう」。

「提灯屋さん。このチラシを配ったのはこちらかな」
「若い連中が来たが、今度は年寄りだな」
「私が読んであげたことで迷惑を掛けてしまったようで」
「お前だな、年寄りで、元締めなのは」
「提灯をもらいたい」
「ブラ提灯はもう無いよ」
「私は高張り提灯を一対」
「高いヤツを、それも二個だと」
「で、紋だが」
「大蛇が胴切りされて、髪結い床が、カミさんを離縁して…うぅ」
「提灯屋さん落ち着きなさい。私のは丸に柏だ」
「丸に柏だと、元締めだけあって、無理難題を言ってきたな。丸に柏だと。解かざるを得ないぞ」
「ありきたりの紋ですよ。丸に柏だ」

「マルにカシワ、解った。スッポンに、ニワトリだろう」

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 - 柳家小さん(五代目)

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