【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

三遊亭円歌(二代目) 柳の馬場

      2015/02/24

Sponsored Link

Sponsored Link

按摩の杢市は、ある殿さまのごひいきに預かり、足げく揉み療治に通っている。
 殿様曰く、「三太夫から聞いたのだが、武芸十八般習得していると聞いたが・・・」、とナゾを掛けられた。
杢市調子に乗り口が滑って、「自分はいささか武道の心得がある」、と、ホラを吹いてしまった。ある藩の武芸者が、柔らを教えてやるというので通って、メキメキ腕を上げ柔術は真楊流 免許皆伝。
殿さまが感心したのでまた図に乗って、 剣術は小野派一刀流 免許皆伝、槍術は宝蔵院流 免許皆伝、
弓術は日置流(へきりゅう) 免許皆伝、
まで並べたところで殿さまが 「剣や槍はわかるが、的も見えないそちが弓の名手とはちと腑に落ちんぞ」
と文句を言うと、そこは免許皆伝で”心眼”で、と言い逃れる。

 ますます口が滑らかになり、お屋敷にはりっぱな馬場がありながら馬がいないというのは惜しい、自分は馬術の大坪本流・免許皆伝であるので、今日は時間もあるし、もし馬がいればどんな荒馬でも乗りこなしてみせるのに残念だ、などと見栄を切ったのが運の尽き。
 殿さまが膝を乗り出して「実はこの間、その馬を買ったが、安かろうマズかろうで、厩で馬草を食べているだけの馬で何の用にもならないが、きさまが免許皆伝であるのは幸い。一鞍責めてくれ」。
杢市は青くなったが、もう遅い。もとより馬のウの字も知らないから、「これから行く所が有りますので・・・」、「時間があると申したではないか」。
 殿様は毎回のホラを承知で聞いていたが、あまりにもヒドいので凹ませてやろうと、馬のことを持ち出し、乗れると言ったら、借りてきた馬に乗せるつもりで居た。
 家中の者にも、「講釈で聞いただけだ」というのを、ここまでみんなに公言したのだからと、若侍たちにむりやり抱えられ、鞍の上に乗せられてしまった。
 柳の馬場に向かって尻に鞭をピシッと当てられたからたまらず、馬はいきり立って杢市を振り落とそうとする。
半泣きになりながら必死に鞍につかまって、馬場を何周かしたところに柳の大木。この枝に慌てて飛びつくと、馬は杢市を残してドドッと逃げって行ってしまった。
「杢市。しっかとつかまって手を離すでないゾ。その下は千丈もある谷底じゃ。落ちれば助からん」、
「ひえッ、助けてください」、
「助けてやろう。明後日の昼までには足場が組めるだろう」、
「冗談じゃない。もう腕が抜けそうだ」、
「長年のよしみ、妻子老母は当屋敷で養ってつかわすぞ。口は災いの元だ、両手を離して死んでしまえ」、
耐えきれなくなり「南無阿弥陀仏」と手を離すと、
足と地面がたった三寸。
[出典:落語の舞台を歩く]

Sponsored Link

 - 三遊亭円歌(二代目) ,

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

  関連記事

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目) 山岡角兵衛

『赤穂義士伝』をもとに地噺。別題:角兵衛の女房 これを円歌は、角兵衛の娘にしてい …

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目) 壺

別題:壷の幽霊。初代林家正楽(一柳金次郎)作。 Sponsored Link

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目) 夢の富

Sponsored Link

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目)さんま芝居

五代目柳亭燕路(りゅうていえんじ)作 あらすじ 兄貴との旅から帰ってきた弟分。 …

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目) 姫はじめ

元話は『わしがかか』で『宿屋ぼぼ』とほぼ同じ。これを円歌が姫はじめと題して演じた …

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目)品川心中【歴史的音源】
三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目) トラタク

Sponsored Link

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目)首ったけ

原話は複数ある。 米沢彦八による江戸中期の噺本(はなしぼん)『軽口大矢数』より、 …

三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目)羽団扇(はうちわ)
三遊亭円歌(二代目)enka
三遊亭円歌(二代目)ふぐ鍋(河豚鍋)

もとは上方落語の『ふぐ汁』