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三遊亭圓生(六代目) 遠山政談

      2015/05/02

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奉行・遠山金四郎が在職中に変わった事件があった。
 石町二丁目に越前屋という生薬屋があった。奉公人を二十何人と使って、手広く商いをして繁昌している店であったが、女中が居付かないで困っていた。半月ぐらいで、短いので2~3日で女中が辞めていった。その訳は若い奉公人20以上が一人の女を引っ張るからで、1~2人なら何とかなるでしょうが、全員に競争で引っ張られたらたまらない。女中もたまらず辞めていく。越前屋の主人は頭を痛め、器量の悪いのをと桂庵に頼んでいたが、美人と言ってもなかなか居ないように、選りすぐった悪いのもなかなか居なかった。
 下総の四街道の出で、”お染め”という十七になる娘を連れてきた。娘十八番茶も出端と言われるが、お染めは三つの時、疱瘡を患い治ったが顔中ヒドイあばただらけになってしまった。その上、七歳の時、部屋で遊んでいると、切ってある囲炉裏に落ち、自在鉤に吊されていたヤカンの熱湯を頭からかぶってしまった。二目と見られない顔になってしまった。それに背が低くて横に大きく転がった方が早い体格であった上に、少々頭が弱かった。主人は至れり尽くせりの娘だと、手を叩いて喜んだ。

 驚いたのは奉公人で、今朝見てびっくりしたのや、昨夜見て恐くて夜寝られない者まで出る始末。あんなお化けを置くことないと、お染めと誰も呼ばず、お化け、お化けと呼んでいた。勝手口に来た者が2~3人目を回すというので、路地の所に救護班が待機していた。主人もこんな女中に手を出す奴は居ないだろうと安心した。

 番頭の久兵衛さんの甥っ子”佐造”は旗本の若党頭を務めていた。ちょくちょく店に顔を出していたが、お染めに目を付け、こんな女はどうであろうかと、世の中には物驚きしない男もあった。
 お染めは生まれて初めて人間らしい扱いを受けたので、夢中になり、佐造の言うことは何でも聞いた。佐造は博打を打つので、金をせびりだし、無くなると給金の前借りをさせて、それも出来なくなると着物を持ち出して金に換えた。その内、因果なことにお染めが妊(はら)んだ。それを知った主人が閑を出した。お染めは佐造に相談を持ちかけたが、国に帰れとのらりくらりと逃げるだけだった。

 佐造の友達が本郷の加賀様にいるから、そこで子供が生まれるまでやっかいになろうと言い出したが、自分は顔が知れているから入れるが、お前は入れない。荷物の俵だと言って屋敷に入るから、俵に入れとそそのかした。入れて背負ってみたが重いこと、石町を出まして神田須田町から昌平橋を渡り、明神坂を上がって、本郷三丁目、真っ直ぐ行けば加賀様のお屋敷ですが、右に曲がって御徒町に出る途中の切り通しで俵を置いて一休み。お染めは寝息を立てて寝ていた。寝たのを良いことに俵を捨てようと広小路から御徒町を抜けて右に曲がり、松永町から和泉橋にさしかかった頃には四つ半、今の夜11時頃、欄干に俵を置き一息入れて俵に声を掛けたがお染めは熟睡していた。これ幸いと俵を川の中に投げ入れた。幸か不幸か引き潮時で川の端であったのでヘドロの上に落ちた。

 そこに釣り人二人が舟で帰ってくるところだった。俵を見付けて、良い拾い物だと引き上げてみると、中の女が気が付いたと見えて「う~~ん」と、うなり声を上げたのでビックリ。俵を開けて中を見ると、昼見てもお化けなのに、深夜月明かりで見ると「化け物だ~」と驚いた。水を飲ませ、話を聞くとこれこれと言う。和泉橋の大番所に届けると、憎っきは佐造と捕り方が動き出した。その頃、隅田川の間部(まなべ)河岸で佐造は俵が流れてくるのを見張っていた。そこに捕り方が来て捕縛、遠山金四郎の裁きを受けることになります。
[出典:落語の舞台を歩く]
http://ginjo.fc2web.com/242touyama_seidan/touyama_seidan.htm

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 - 三遊亭圓生(六代目)

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