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古今亭志ん生(五代目)三軒長屋(前・後)

      2020/12/23

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三軒長屋(さんげんながや)は落語の演目の一つ。
原話は中国の明代に書かれた笑話本、『笑府』第六巻・殊稟部の【好静】。
主な演者として、東京の5代目古今亭志ん生や6代目三遊亭圓生などがいる。

あらすじ

舞台は三軒続きの長屋。
住んでいるのは、右端が鳶頭(とびがしら)の政五郎で、左端が「一刀流」の看板を掲げている楠運平橘正国という侍。
そして、この二人に挟まれて住んでいるのが、事件の引き金となる高利貸し・伊勢屋勘右衛門の妾だ。

この妾が、ある日、勘右衛門に「両隣がうるさくって血のぼせがするから引っ越したい」とせがむ。
確かに、鳶頭の家では日ごろから荒っぽい若い者が出入りして大騒ぎしているうえ、時期となると朝から木遣りの稽古を始めてやかましい。
対する剣術の先生の方では、朝から晩までやっとうの稽古をしているためうるさいことこの上ない。

引っ越し費用のバカ高さを考えた勘右衛門は、長屋そのものが家質となっていることを利用し、質流れとなったら両隣の騒音をたたきだして長屋を一軒の妾宅にすることを思いついた。

このアイディアを、妾に話してなだめているところを聞いたこの家の女中が、井戸端で話してしまったおかげで計画は筒抜け。
とくに怒ったのが鳶頭のおかみさんで、「家主ならともかく、何故、伊勢屋風情に店立てされなければいけないんだ!」と亭主を炊きつける。

鳶頭も少し考え、翌朝になると羽織を羽織って道場へ。
「何!? あの薬缶頭が店立てを迫っている…!?」
門下生一同を引っ下げ、伊勢屋を襲撃して勘右衛門のそっ首を引き抜いて…と息巻く楠先生をなだめて、鳶頭が何やらヒソヒソ―。
その翌日、伊勢屋に楠先生がやってくる。

「拙者、道場が手狭になった故、転居をいたすことに相成り申した」費用が足りないため、捻出のため千本試合を催すことにしたという。
「真剣勝負もござるゆえ、首の二つや三つはお宅に転げ込むかもしれませぬ…その時はどうぞご容赦を」
話を聞いた勘右衛門は震え上がり、「お金を出すから試合はどうかご勘弁を」と平身低頭。

五十両を受け取った楠先生が引き上げると、入れ違えに今度は鳶頭がやって来た。
「引っ越すことになったんですがね、金がねぇんで賭場を開こうかと思うんですよ」賭場にはお酒が付き物。

ただでさえ気性の荒い若い者が、お酒を飲んだらどういう事になるか…?
「気をつけはするんですがね、何しろ、肴に鮪の刺身を出すんでおあつらえ向きに包丁があるじゃありませんか。斬り合いになって首の百や二百…」
うんざりしてまた五十両。
帰ろうとする鳶頭に、勘右衛門が「そう言えば、剣術の先生も同じような事を言っていたんだよ。

お前さん方、いったいどこへ越すんだい?」
「へえ、あっしが先生のところへ越して、先生があっしのところへ」

概要

高利貸しの悪だくみを、鳶頭の大掛かりな奇策が退ける快作。
人物の出入りが多いため、よほどの実力者でないと演じ切る事が出来ない大作だ。
原話は、二件の鍛冶屋に挟まれた『静寂を好む人物』が、お金の代わりに御馳走をする話。
面白い筋立てが気に入られたのか、明治三十八年に、8代目 市川八百蔵の主演で歌舞伎化された。

志ん生の「三軒長屋」

数ある演者の中でも、最も有名なのが五代目の古今亭志ん生だろう。
彼の高座は山場が多く、喧嘩の手打ち式で語られる『獅子舞をやった時の失敗談』や、店立てを城攻めに準え、伊勢屋を襲撃してやると息巻く楠先生など大爆笑の連続となっている。
元々が長い話なので、通常、彼が「三軒長屋」を演じる際は前後篇に分けるか、別の噺家とのコラボレーション(3代目金馬などの記録がある)とし、前篇のみを演じることが多かった。
ちなみに、志ん生はこの噺のオチを「アッと驚くもの」と表現しており、そこに至るまでのあおりも絶妙なものであった。

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 - 古今亭志ん生(五代目)

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