【落語チャンネル】ネット寄席

落語動画・音声まとめデータベース/世界に誇る日本の伝統芸能 落語ワールドをご堪能下さい

*

古今亭志ん生(五代目)素人相撲

      2017/08/19

Sponsored Link

ある男が相撲に出てみないかと勧められて、オレは大関だと豪語している。

こういうのに強い奴はいたためしがなく、この間、若い衆とけんかをしてぶん投げたと言うから

「病人じゃなかったのか」

「ばかにするねえ」

「血気の若えもんだ」

「いくつくらいの?」

「七つが頭ぐれえで」

こういう手合いばかりだから、いざ本番で少しでも大きくて強そうな奴が相手だと、尻込みして逃げてしまう。

「向こうはばかに大きいからイヤだ」

「本場所は小さい者が大きい者と取るじゃねえか」

「おやじの遺言で、けがするのは親不孝だから、大きい奴と取ったら草葉の陰から勘当だと言われてる」

「てめえのおやじはあそこで見てるじゃねえか」

「なに、ゆくゆくは死ぬからそのつもりだ」

与太郎も土俵に上がれとけしかけられるが、伯母さんから、相撲を取ってけがしたら小遣いをあげないと言われてるんで、いいか悪いか横浜まで電報を打って、とひどいもの。

そこに、やけに小さいのが来て、私が取ると言うので

「おい、子供はだめだ」

「あたしは二十三です」

どうしても、と言うから、しかたなくマワシを付けさせて土俵に上げると、その男、大男の前袋にぶら下がったりしてチョロチョロ動いて翻弄し、引き落としで転がしてしまう。

「それ見ろ。小さいのが勝った。煙草入れをやれ、紙入れも投げろ。羽織も放っちまえ」
「おい、人のを放っちゃいけねえ。てめえのをやれ」

「しみったれめ」

「おまえがしみったれだ、しかし強いねえ。あれは誰が知っているかい?」

「あれは勧工場の商人だ」

「道理で負けないわけだ」

※勧工場(かんこうじょう)
明治・大正時代、一つの建物の中に多くの店が入り、いろいろな商品を即売した所。デパートの進出により衰えた。明治11年(1878)東京にできた第一勧工場が最初。勧商場。

※志ん生:サゲ

「あいつは、誰だ。いやに押しが強いね」

「強いはずだ、漬物屋のせがれだ」

Sponsored Link

 - 古今亭志ん生(五代目)

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

古今亭志ん生(五代目) 雨の将棋
古今亭志ん生(五代目)天狗裁き

『天狗裁き』(てんぐさばき)は、古典落語の演目。元々は上方落語の演目の一つである …

古今亭志ん生(五代目) 疝気の虫

疝気の虫(せんきのむし)は古典落語の演目の一つ。原話は、寛政8年に出版された笑話 …

古今亭志ん生(五代目)らくだ

『らくだ』は、古典落語の演目。上方落語の演目の1つである。 人物の出入りが多い上 …

古今亭志ん生(五代目)紀州

紀州(きしゅう)は古典落語の演目の一つ。 原話は、松浦静山が文政4年(1821年 …

古今亭志ん生(五代目) 小間物屋小四郎(大岡政談より)

京橋五郎兵衛町の長屋に住む、背負い(行商)の小間物屋・相生屋小四郎。 今度上方へ …

古今亭志ん生(五代目) 吉原風景
古今亭志ん生(五代目)お初徳兵衛(舟徳原話)

あらすじ 遊びが過ぎて勘当をされた若旦那の徳兵衛は、いつも世話をしていた柳橋の船 …

no image
古今亭志ん生(五代目) お若伊之助(因果塚の由来)

横山町三丁目、栄屋という生薬屋のー人娘=お若。 年が十七で栄屋小町といわれる美人 …

古今亭志ん生(五代目) 亭主関白

別題:替わり目/元帳 SP盤歴史的音源 もとは『替わり目』というサゲからつけた題 …