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林家彦六(八代目 林家正蔵)紫檀楼古木(したんろうふるき)

   

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あらすじ

ある冬の夕暮れ、薬研堀のさる家。

なかなかおつな年増で、芸事ならば何でもいけるというご新造が、女中一人と住んでいる。

「らおやーァ、きせるー」

と売り声がしたので出てみると、ボロボロの半纏の袖口が水っ洟でピカピカ光っている、汚い爺さん。

ちょうどご新造の煙管(きせる)が詰まっていたので、女中が羅宇(らお)の交換を頼む。

いやに高慢ちきな態度で、専門家の目で見ると趣味の悪い代物なのに、金がかかっていることを自慢たらたらなので、爺さんは嫌な気がしたが、仕事なのでしかたがない。

玄関先で煙管をすげ替えていると、ご新造がそれを窓から見て、あんな汚らしい爺を煙管に触れさせるのはイヤだと、文句を言う。

二人の、汚い汚いという言葉が聞こえてきたので、爺さんはむっとして、代金を受け取る時、これをご新造に取り次いでほしいと、何か書いてある紙切れを渡した。

ご新造がそれを読んでみると

「牛若のご子孫なるかご新造の吾れを汚穢(むさ)し(=武蔵坊)と思いたまひて」
という、皮肉な狂歌。

だんなが狂歌をやるので、自分も少しはたしなみがあるご新造。

「ふーん」と感心して、矢立てでさらさらと

「弁慶と見たは僻(ひが)目かすげ替えの鋸もあり才槌もあり」

と、返歌をしたためて届けさせる。

それを爺さんが見て、またも、

「弁慶の腕にあらねど万力は煙管の首を抜くばかりなり 古木」

と、今度は署名入りの返歌をよこしたので、その署名を見てご新造は仰天。

紫檀楼古木といえば、だんなの狂歌の先生の、そのまた先生という、狂歌界の大名人。

元蔵前の大きな羅宇問屋の主人だったが、番頭にだまされて店をつぶされ、今は裏店(うらだな)に住んで、市中を羅宇のすげ替えに歩く身。

ご新造は、早速無礼を詫びて家に招き入れ、とりあえず、お風邪でも召しては、と綿入れの羽織を差し出す。

古木、断って

「ご親切はありがたいが、私はこのこの荷物をこう担げば、はおりゃー、着てるゥー(らおやー、きせるー)」

[出典:落語あらすじ事典 千字寄席 http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2008/06/post_cc6a.html]

※参考:羅宇屋(らうや)
⇒ http://e-mono-jp.net/?page_id=169

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