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古今亭志ん生(五代目)粗忽長屋【十八番】

   

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[1957年(昭和32)年7月録音]

★聴き比べ

あらすじ

長屋住まいの八五郎と熊五郎は似た者同士で、兄弟同様に仲がいい。
八五郎は不精でそそっかしく、熊五郎はチョコチョコしていてそそっかしいという具合で、二人とも粗忽さでは、番付がもしあれば大関を争うほど。
八の方は信心はまめで、毎朝浅草の観音様にお参りに行く。
ある日、いつもの通り雷門を抜け、広小路にさしかかると、黒山の人だかり。
行き倒れだという。
強引に死体を見せてもらうと、そいつは借りでもあって具合が悪いのか、横を向いて死んでいる。
恐ろしく長っ細い顔だが、こいつはどこかで見たような。

「こいつはおまえさんの兄弟分かい」
「ああ、今朝ね、どうも心持ちが悪くていけねえなんてね。当人はここで死んでるのを忘れてんだよ」
「当人?おまえさん、兄弟分が浅ましい最期をとげたんで、取りのぼせたね。いいかい、しっかりしなさいよ」
「うるせえ。のぼせたもクソもあるもんけえ。うそじゃねえ明かしに、おっ死んだ当人をここへ連れて来らァ」

八五郎、脱兎のごとく長屋へ駆け込むや、熊をたたき起こし、
「てめえ、浅草の広小路で死んだのも知らねえで、よくもそんなにのうのうと寝てられるな」と息巻く。

「まだ起きたばかりで死んだ心持ちはしねえ」と熊。

昨夜どうしていたか、と聞くと、本所の親類のところへ遊びに行き、しこたまのんで、吉原をヒヤカした後、田町でまた五合ばかり。
その後ははっきりしないという。

「そーれ見ねえ。つまらねえものをのみ食いしやがるから、田町から虫の息で仲見世あたりにふらついてきて、それでてめえ、お陀仏になっちまったんだ」

そう言われると、熊も急に心配になった。

「兄貴、どうしよう」
「どうもこうもねえ。死んじまったものはしょうがねえから、これからてめえの死骸を引き取りにいくんだ」

というわけで、連れ立ってまた広小路へ。

「あらら、また来たよ。あのね、しっかりしなさいよ。しょうがない。本人という人、死骸をよくごらん」

コモをまくると、いやにのっぺりした顔。
当人、止めるのも聞かず、死体をさすって、

「トホホ、これが俺か。なんてまあ浅ましい姿に………こうと知ったらもっとうめえものを食っときゃよかった。でも兄貴、何だかわからなくなっちまった」

「何が」

「抱かれてるのは確かに俺だが、抱いてる俺はいってえ、誰なんだろう」

[出典:落語あらすじ事典 千字寄席 http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2004/10/post_14.html]

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