古今亭志ん生(五代目)宗珉の滝(そうみんのたき)
もともとは講釈ダネで、志ん生が一時期講釈師になった時に覚えた噺のようです(大正後期~昭和初期)
あまり回数は多くやらなかったという、貴重な音源。
★聴き比べ ⇒ 志ん朝 宗珉の滝
あらすじ
宗珉(そうみん)は落語「錦明竹」に「横谷(よこや)宗珉四分一拵小柄付の脇差」で出てくる刀剣装飾の金工職人、腰元彫りの名人。
横谷宗珉の弟子、宗次郎が勘当されて、紀州は熊野権現前の旅籠、湯浅屋に流れ着き、無一文がばれて、主に宿賃のかわりに彫金をするように言われる。虎を彫ると、主は「死んでいる」と宗珉と同じことをいう目利きだった。
紀州和歌山藩留守居役八百石の木村又兵衛が泊まり、細工している音を聞きつけて、藩主紀州中納言様直々「那智の滝を彫れ」の註文が出る。主が水垢離、精進潔斎してからというのに、少し慢心してきていた宗次郎は酒を飲みながら、仕事をする。見事なものが出来たが、殿様は沓脱ぎに叩きつける。
もう一度と作ったのは、泉水に投げ込まれた。それでも、もう一度という註文に、宗次郎は滝に入って、二十一日間断食して、仕事にかかる。主も水垢離をとり、断食。
八日目の朝、前のより落ちると思われるものが出来たが、宗次郎は納まらなければ、腹を切るという。殿様は「これぞ名工の作、見事じゃ」。
納得できない湯浅屋が、滝の図の鍔を手にすると、手が濡れてきて、紙の上に置くと、紙がしめってきた。
宗次郎は百石で紀州家お抱えとなり、後に二代目横谷宗珉となる。
*宋珉の滝
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