★古今亭志ん生(五代目)狸賽(たぬさい・たぬき)
2022/08/10
あらすじ
あるバクチ打ちの男。
誰か夜中に訪ねてきたので開けてみると、何と子狸。
昼間、悪童たちにいじめられているのを男に助けられたので、その恩返しに来たのだという。
何でもお役に立つからしばらく置いてくれというので、家に入れて試してみると、何にでも化けられるので、なるほどこれは便利。
小僧に化けて家事一切をやってくれたり、葉書を札に化けさせて、米をかすり取ってきたり。
そこで男が思いついたのが今夜の「ご開帳」。
チョボイチだから、狸をサイコロに化けさせて持っていけば、自分の好きな目が出放題、というわけ。
さっそく訓練してみると、あまり転がすと目が回るなどと、頼りないが、何とか仕込んで、勇躍賭場へ。
強引に胴を取ると、男が張る目張る目がみんな大当たりで、たちまち男の前には札束の山。
ところが、やたら
「今度は一だ」
「三だよッ、三だ三だ三だ」
などと、いちいちしつこく指示を出すので、一同眉に唾をつけ始める。
儲けるだけ儲けて退散しようとすると、最後の勝負というので先に張られてしまい、てめえが変なことを言うとその通りの目が出るから、もう目を読むなと釘をさされる。
開いた目は五。
五と言えないので、
「うーん、今度は何だ、梅鉢だ。えー、まーるくなって、一つ真ん中になるだろ。加賀さまだ。加賀さまの紋が梅鉢で、梅鉢は天神さま。なッ。天神さまだよ、頼むぜッ」。
勝負ッ、と転がすと、狸が冠かぶって、笏(しゃく)持ってふんぞりかえってた。
[PR]
こちらの演目もどうぞ
関連記事
-
-
★古今亭志ん生(五代目)羽衣の松
あらすじ 人というものは大変なもので、本当の美人は『顔の真ん中に鼻がある』と申し …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)親子酒
親子酒(おやこざけ)は、古典落語の演目の一つ。 原話は上方の初代露の五郎兵衛が宝 …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)雨の将棋
落語 古今亭志ん生 雨の将棋 将棋好きの二人、今日も将棋で遊んでいたが、「待った …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)岸柳島(巌流島)
岸柳島(がんりゅうじま)は古典落語の演目の一つ。 「巌流島」とされる事もある(理 …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)付き馬(早桶屋/吉原風景)
落語 古今亭志ん生 付き馬 付き馬(つきうま)は、古典落語の演目の一つ。 原話は …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)中村仲蔵
あらすじ 明和3(1766)年のこと。 苦労の末、名題に昇進にした中村仲蔵は、「 …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)もう半分
もう半分(もうはんぶん)は、落語の演目の一つで怪談話(三遊亭圓朝作 ) 別名「五 …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)厩火事(うまやかじ)
厩火事(うまやかじ)は落語の演目の一つ。別名を「厩焼けたり」ともいう。 題名はネ …
-
-
★古今亭志ん生(五代目)妾馬(八五郎出世)中村仲蔵・塩原多助一代記
八五郎出世(はちごろうしゅっせ)は古典落語の演目の一つ。 別題は『妾馬』(めかう …
- PREV
- ★古今亭志ん朝/佃祭(つくだまつり)
- NEXT
- ★立川志の輔/忠臣ぐらっ