古今亭志ん朝/鰻の幇間(うなぎのたいこ)
2022/03/12
『鰻の幇間』(うなぎのたいこ)は、古典落語の演目の一つ。作者不詳の落とし話で、いわゆる幇間ものに分類される。
明治中期ごろから初代柳家小せん(盲の小せん)が得意にし、その後5代目古今亭志ん生・8代目三笑亭可楽・3代目春風亭柳好・6代目三遊亭圓生などが持ちネタとしていたが、何と言っても近年では8代目桂文楽の十八番として有名だった。サゲは間抜落ち。
上方落語では桂春之輔が改作し演じる。
あらすじ
夏の盛りの真っ昼間。野ダイコの一八は、知り合いの姐さんたちのところを回って食事にありつこうとするがみんな留守。
焦った彼は、通りかかった「どこかで見たような男」を取り巻いて、必死で昼飯にありつこうとする。
首尾よく(汚い)鰻屋に連れて行ってもらうが、この男、とんでもなくしたたかな性格で、のらりくらりと探りをかわし、一八を残して食い逃げする。
その上お土産を二人前(話によっては十人前)も持って帰っていたために、一八は全部自腹を切らされてしまう。
おまけに、芸人自慢の下駄までもっていかれていた。
(噺家によっては、ここまでは演らない。5代目の志ん生は演っていた)
概説
圓生の洒脱さや可楽の渋さも捨てがたく、好みの別れるところである。
文楽は悲喜劇として演じ、志ん生は喜劇として演じていると評された。
また柳好は、自身が幇間をしていた事もあり、自然体でもっとも幇間に近いと絶賛された。
一八を騙した男は一体、誰だったのか、ということがたまに問題にされる。
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