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三遊亭金馬(三代目)嘘つき村

   

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「神田の千三ツ」(かんだんのせんみつ)と異名を取る、うそつき男。

だんなの家に久しぶりに現れ、信州の方へ行ってきたが、

あんまり寒いので湖で鴨の足に氷が張って飛び立てなくなっているのを幸い、

鎌で足だけ残して片っ端から刈り取ったとか、その後に芽が出たのでカモメだとか、早速、並べ放題。

ところが、だんなが、

「向島の先に、うそつき村というのがあり、そこの奴らは一人残らずうそをつくが、その中でも、鉄砲の弥八という男は、おまえよりずっと上手だ」

と言うので、千三ツ、名誉にかけてそいつを負かしてみせると、勇躍、うそつき村に乗り込んだ。

早速、村人に弥八の家を聞いたが、さすがにうそつきぞろい。

向かい側の引っ込んだ家だの、松の木の裏だのとでたらめばかりで、いっこうに見当がつかない。

子供なら少しはましかと、遊んでいた男の子に聞くと、「弥八はオレのおとっつあんだ」と言う。

そこで

「おまえんとこの親父は、見込みがありそうだと聞いたんで、弟子にしてやろうと江戸から来たんだ」

と、ハッタリをかますと、子供をさるもの、

「親父は富士山が倒れそうになったのでつっかい棒に行って留守だし、おっかさんは近江の琵琶湖まで洗濯に行った」

と、なかなかの強敵。

その上、「薪が五把あったけど、三つ食べたから、おじさん、残りをおあがり。炭団はどうだい」

ときたから、子供がこれなら親父はもっとすごいだろうから、とてもかなわないと、千三ツは尻尾を巻いて退却。

「おじさん、そっち行くとウワバミが出るよ」

「なにを言ってやがる」

そこへ親父が帰ってきたので、せがれはこれこれと報告し

「おとっつあん、どこへ行ってたんだい」

「オレか。世界がすっぽり入る大きな桶を見てきた」

「おいらも、大きな竹を見たよ。山の上から筍が出て、それがどんどん伸びて、雲の中に隠れちまった」

「うん、それで?」

「少したつと、上の方から竹が下りてきて、それが地面につくと、またそれから根が生えて、雲まで伸びて、また上から」

「そんな竹がないと、世界が入る桶のたがが作れない」

 

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