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古今亭志ん生(五代目)藁人形

   

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あらすじ

神田龍閑町の糠屋の娘おくまは、ぐれて男と駆け落ちをし、上方に流れていったが、久しぶりに江戸に舞い戻ってみると、すでに両親は死に、店も人手に渡っていた。

どうにもならないので千住小塚っ原の若松屋という女郎屋に身を売り、今は苦界の身である。
同じく千住の裏長屋に住む、西念という願人坊主。
元は「か」組の鳶(とび)の者だったが、けんかざたで人を殺し、出家して、家々の前で鉦(かね)を叩いてなにがしかの布施をもらう、物乞い同然の身に落ちぶれている。

歳は、もう六十に手が届こうかという老人。
その西念が若松屋に出入りするようになり、おくまの親父に顔がそっくりだということもあって、二人は親しい仲になった。

ある梅雨の一日、いつものように西念がおくまの部屋を訪れると、おくまは上機嫌で、近々上方のだんなに身請けされ、駒形に絵草紙屋を持たせてもらうから、そうなったら西念さん、おまえを引き取り、父親同然に世話をすると、言ってくれる。

数日後にまた行ってみると、この前とうって変わって、やけ酒。
絵草紙屋を買う金が二十両足りないと、いう。
西念、思案をして、実は昔出家する時、二十両の金を鳶頭にもらったが、使わずにずっと台所の土間に埋めてあるから、それを用立てようと申し出る。
西念が金を取ってきて渡すと、おくまは大喜び。
きっとすぐに迎えに行くからと、約束した。

それから七日ほど夏風邪で寝ていた西念、久しぶりに若松屋に行っておくまに会い、あのことはどうなったと尋ねると、意外にも女はせせら笑って
「ふん、おまえが金を持っているという噂だから、だまして取ってやったのさ。何べんも泊めてやったんだ。揚げ代代わりと思いな」

西念はだまされたと知って、憤怒の形相すさまじく「覚えていろ」と叫んでみてもどうしようもなく、外につまみ出された。
二十日後、甥(おい)の陣吉が、西念を尋ねてくる。
大家に聞くと、もう二十日も戸を締め切って、閉じこもったままだという。

この陣吉、やくざ者で、けんかのために入牢していたが、釈放されたのを機にカタギとなり、伯父を引き取りつもり。
陣吉に会って、そのことを聞いた西念は喜んで、祝いにそばを頼み方々、久しぶりに外の風に当たってくると、杖を突いて出ていったが、行きしなに「鍋の中を覗いてくれるな」と、言い残す。

そう言われれば見たくなるのが人情で、留守に陣吉がひょいと仲をのぞくと、呪いの藁人形が油でぐつぐつ煮え立っている。
帰ってきた西念、「見たか。これで俺の念力もおしまいだ。口惜しい」
泣き崩れるので、事情を聞いてみると、これこれしかじか。

「やめねえ伯父さん、藁人形なら釘を打たなきゃ」

「だめだ。おくまは糠屋の娘だ」

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 - 古今亭志ん生(五代目)

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